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「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書 (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26149.html
出典情報 「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(6/9)《厚生労働省》
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② 退院促進措置の実態を踏まえた拡充策
○ 退院促進措置の実態に関する調査(※)では、
・ 平成 25 年改正の退院促進措置の導入により、新規入院患者の退院促進に
向けた院内連携は着実に進展している
・ 長期入院者の退院に向けては、地域援助事業者等との地域・院外での連携
等、地域により課題が見られる
・ 医療保護入院以外の入院者に対する退院措置のあり方にも課題が見られる
・ こうした現状に照らし、担当者調査では、医療保護入院者の早期退院に必
要と感じている取組として、家族への適切な支援のほか、行政・基幹相談支
援センター・市町村障害者相談支援事業・地域支援者・ピアサポーター・弁
護士等司法関係者の関わり、診療報酬の見直しが挙げられる
とされている。
※ 令和3年度障害者総合福祉推進事業「退院後生活環境相談員の業務と退院
支援委員会の開催等の実態に関する全国調査」(公益社団法人日本精神保健
福祉士協会)
○ こうした結果を踏まえ、
・ 医療保護入院以外の入院者についても退院促進措置の対象とすべきである。
※ また、退院支援委員会の対象者を拡大(現行、原則として在院期間が1
年未満の医療保護入院者が対象→これを在院期間が1年以上の医療保護
入院者にも拡大)すべきである。
・ こうした対象者の拡大や、地域援助事業者等との更なる連携を実現しつつ、
支援の質を担保していく観点からは、専門職の活用が重要となるため、必要
な人員等が確保できるよう、診療報酬における適切な評価を含めた検討を行
う必要がある。
③ 長期在院者への支援
○ 長期在院者の支援に向けては、実際に訪問し、一人の顔の見える患者、自治
体の住民の一人として支援を進めていく取組が重要と考えられ、そうした観点
から、市町村が地域生活支援事業として実施する障害者相談支援事業実施要領
においては、権利擁護のために必要な援助の例として「精神科病院を訪問し、
入院患者の退院に向けた意思決定支援や退院請求などの権利行使の援助を行
うよう努めること」とされている。
慣れない環境での入院治療はそれだけで孤独や不安を伴うなか、病院の中で、
十分に自分の気持ちや状況について話を聞いてもらえない、説明が得られない、
伝えてはみたが上手く伝わらない等の体験が重なることで、当初抱えていた孤
独や不安が増大し、これにより、次第に退院を諦めざるを得なくなり、長期在
院につながっていくことが考えられる。

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