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「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26149.html
出典情報 「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(6/9)《厚生労働省》
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第1

総論

(精神疾患の現状)
○ 近年、精神疾患を有する患者の数は増加傾向にあり、平成 29 年には約 420 万人
となっている。新型コロナウイルス感染症の影響による長期に及ぶ自粛生活等の影
響もあり、令和2年9月の調査では約6割の方が様々な不安を感じており、メンタ
ルヘルスの不調や精神疾患は、誰もが経験しうる身近な疾患となっている。
自殺者数は、平成 22 年以降は 10 年連続で減少となっていたが、令和2年には 11
年ぶりに増加に転じている。
(「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築)


誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、精神障害の有無や程度にか
かわらず、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労等)、地域の助け合い、
普及啓発(教育等)が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシ
ステム」を構築するため、令和3年3月に「精神障害にも対応した地域包括ケアシ
ステムの構築に係る検討会」報告書がとりまとめられた。



報告書には、行政と医療、障害福祉サービス、介護サービス等の多職種・多機関
の顔の見える連携を推進し、精神障害を有する方や精神保健(メンタルヘルス)上
の課題を抱えた方(以下「精神保健医療福祉上のニーズを有する方」とする。)が、
その意向やニーズに応じ、身近な地域で切れ目なくこれらのサービスを利用し、安
心して暮らせるようにする体制を構築する観点から、今後の課題が以下のとおり示
されている。
・ 厚生労働省は今後、本報告書に基づき、精神障害にも対応した地域包括ケアシ
ステムの構築を推進する観点から、必要な諸制度の見直し、障害福祉計画や令和
6年度からの次期医療計画への反映及び必要な財政的方策等も含め、関係省庁及
び省内関係部局との連携を図りつつ具体的な取組について検討し、その実現を図
るべきである。
・ 本報告書では精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の推進に関す
る事項を取りまとめたが、これまで精神保健医療福祉領域で課題とされている、
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和 25 年法律第 123 号。以下「精
神保健福祉法」とする。)に規定する入院に関わる制度のあり方、患者の意思決定
支援や患者の意思に基づいた退院後支援のあり方等の事項については、別途、検
討が行われるべきである。



わが国の精神保健医療福祉行政は、戦後、精神衛生法(昭和 25 年法律第 123 号)
に基づく、非営利法人が設置する精神病院等の設置・運営に要する経費の国庫補助
等により、民間主体で病院・病床の整備が急速に進められたこともあり、精神科医
療機関は、必ずしも医療提供基盤が十分とはいえないなか民間主体で入院医療を提

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