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参考資料2-1 一般用医薬品の適正使用の一層の推進に向けた依存性の実態把握と適切な販売のための研究 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29460.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第3回 12/1)《厚生労働省》 |
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ン店)でナロンエース(80 錠)を 2 つ購入し
(症例 3)
、排尿障害(症例 4)
、意識消失、手
ようとした際に、販売員より、
『肝臓が悪くな
の震え(症例 6)
、食欲不振、体重減少(症例
りますよ』と声掛けがあった(症例 9)
」
、
、
「個
人経営の薬局では店内に陳列せず、店の奥に
7)
、見当識障害、呂律不良(症例 8)
、頭痛、
心拍数の増加、脳梗塞(症例 11)
、便秘、アカ
隠してあった。手で『5 本』などとサインを送
シジア様症例(症例 14)などが報告された。
一方、精神症例としては、勘ぐり、被害妄
ると、何箱でも売ってくれる状態であった
(症例 11)
」
「某ドラッグストアでは、製品を
想(症例 1)
、攻撃的、幻聴、妄想、幻覚(症
多く買うと安くしてくれるサービスがあった
例 2)
、不眠、希死念慮(症例 3)
、離脱症状、
(症例 13)
」
、
「大量に購入していることに対し
易怒性(症例 6)
、離脱時の吐き気、だるさ、
て、店員より何も注意されたことはなかった
無気力(症例 7)
、無気力(症例 9)
、攻撃的
が、万引きすることに、対して、店員に警戒
(症例 12)
、易怒的(症例 13)
、離脱症状、だ
されていた(症例 13)
」といったエピソードが
るさ、不眠(症例 14)などが報告された。
語られた。
表 6 に 14 症例の詳細をまとめた。1 日あた
D. 考察
1.先行研究との共通点
りの最大使用量は様々であったが、エスエス
ブロン®錠を 252 錠(症例 2,3)
、新ブロン®液
本研究では薬物依存の民間支援団体である
エースを 15~16 本(症例 11)を乱用していた
ダルク利用者を対象として、一般用医薬品症例
という症例も報告された。
の実態を把握することを目的に、「ダルク追っ
かけ調査」で得られた既存データの再分析およ
当該製品を選択した理由は、
「多幸感が得ら
れる(症例 3,6,7,9)
」
、
「リラックス効果(症例
び一般用医薬品症例への追加調査を実施した。
10,13)
」などの作用を期待した発言があったほ
既存データの再分析からは、一般用医薬品症
か、
「錠剤だとたくさん飲むと吐き気がする
例の基本属性や心理社会的な特徴を見出すこ
(症例 1)
」
、
「錠剤よりたくさん飲める(症例
とができた。一般用医薬品症例を他の症例と比
1)
」という理由で顆粒を選択していた症例
較すると、
「若年の男性が多い」
、
「高学歴・非犯
や、逆に「粉末だとかさばるが、瓶だと持ち
罪傾向」
、
「精神科的な問題を有する」
、
「薬物依
運びが便利(症例 3)
」という症例もみられ
存が重症」
、
「違法薬物の使用歴がある」
、
「再使
た。
乱用開始のきっかけとしては、
「友人・知人
用率が高い」という6つの特徴があることが明
らかとなった。
からの勧め(症例 1,2,3,5,9,11,13)
」が多数の症
「若年の男性が多い」や「高学歴・非犯罪傾
例で報告された。また、
「違法ではないから
向」は、鎮咳薬症例を対象とする先行研究と一
(症例 1,11,13,14)
」など、合法性を重視する発
致する特徴と考えられる。全国の精神科医療施
言も確認された。
「インターネット(症例
設を対象とした調査において、鎮咳薬症例は、
12)
」や「書籍(症例 14)
」の情報から関心を
覚せい剤症例に比べると年齢が若干若く、男性
持ったという症例も報告された。
「ドラッグス
の比率が高く、高校卒業以上の学歴を有する者
トアでアルバイトをしている際に、お客さん
が多く、矯正施設入所歴が少ないという特徴が
がブロン液を大量に購入していることに興味
報告されている 5)。こうした属性上の特徴は、
を持ち、自分で効能を調べて、ブロン液の乱
乱用パターンを調べた追加調査にも表れてい
用を開始した」という症例もみられた。
る。一般的に、若年の薬物乱用は友人・知人な
乱用に伴う身体的・精神的な症状は、多種
多様であった。身体症状としては、慢性的な
ど身近な存在からの影響を受けて開始される
ことが多いが、本研究においても、
「友人・知人
便秘(症例 1)
、てんかん発作(症例 2)
、イン
の勧め」が乱用開始の契機となっていることが
フルエンザ様の症状、アカシジア様の症状
複数の症例で報告されている。また、
「違法では
15
(症例 3)
、排尿障害(症例 4)
、意識消失、手
ようとした際に、販売員より、
『肝臓が悪くな
の震え(症例 6)
、食欲不振、体重減少(症例
りますよ』と声掛けがあった(症例 9)
」
、
、
「個
人経営の薬局では店内に陳列せず、店の奥に
7)
、見当識障害、呂律不良(症例 8)
、頭痛、
心拍数の増加、脳梗塞(症例 11)
、便秘、アカ
隠してあった。手で『5 本』などとサインを送
シジア様症例(症例 14)などが報告された。
一方、精神症例としては、勘ぐり、被害妄
ると、何箱でも売ってくれる状態であった
(症例 11)
」
「某ドラッグストアでは、製品を
想(症例 1)
、攻撃的、幻聴、妄想、幻覚(症
多く買うと安くしてくれるサービスがあった
例 2)
、不眠、希死念慮(症例 3)
、離脱症状、
(症例 13)
」
、
「大量に購入していることに対し
易怒性(症例 6)
、離脱時の吐き気、だるさ、
て、店員より何も注意されたことはなかった
無気力(症例 7)
、無気力(症例 9)
、攻撃的
が、万引きすることに、対して、店員に警戒
(症例 12)
、易怒的(症例 13)
、離脱症状、だ
されていた(症例 13)
」といったエピソードが
るさ、不眠(症例 14)などが報告された。
語られた。
表 6 に 14 症例の詳細をまとめた。1 日あた
D. 考察
1.先行研究との共通点
りの最大使用量は様々であったが、エスエス
ブロン®錠を 252 錠(症例 2,3)
、新ブロン®液
本研究では薬物依存の民間支援団体である
エースを 15~16 本(症例 11)を乱用していた
ダルク利用者を対象として、一般用医薬品症例
という症例も報告された。
の実態を把握することを目的に、「ダルク追っ
かけ調査」で得られた既存データの再分析およ
当該製品を選択した理由は、
「多幸感が得ら
れる(症例 3,6,7,9)
」
、
「リラックス効果(症例
び一般用医薬品症例への追加調査を実施した。
10,13)
」などの作用を期待した発言があったほ
既存データの再分析からは、一般用医薬品症
か、
「錠剤だとたくさん飲むと吐き気がする
例の基本属性や心理社会的な特徴を見出すこ
(症例 1)
」
、
「錠剤よりたくさん飲める(症例
とができた。一般用医薬品症例を他の症例と比
1)
」という理由で顆粒を選択していた症例
較すると、
「若年の男性が多い」
、
「高学歴・非犯
や、逆に「粉末だとかさばるが、瓶だと持ち
罪傾向」
、
「精神科的な問題を有する」
、
「薬物依
運びが便利(症例 3)
」という症例もみられ
存が重症」
、
「違法薬物の使用歴がある」
、
「再使
た。
乱用開始のきっかけとしては、
「友人・知人
用率が高い」という6つの特徴があることが明
らかとなった。
からの勧め(症例 1,2,3,5,9,11,13)
」が多数の症
「若年の男性が多い」や「高学歴・非犯罪傾
例で報告された。また、
「違法ではないから
向」は、鎮咳薬症例を対象とする先行研究と一
(症例 1,11,13,14)
」など、合法性を重視する発
致する特徴と考えられる。全国の精神科医療施
言も確認された。
「インターネット(症例
設を対象とした調査において、鎮咳薬症例は、
12)
」や「書籍(症例 14)
」の情報から関心を
覚せい剤症例に比べると年齢が若干若く、男性
持ったという症例も報告された。
「ドラッグス
の比率が高く、高校卒業以上の学歴を有する者
トアでアルバイトをしている際に、お客さん
が多く、矯正施設入所歴が少ないという特徴が
がブロン液を大量に購入していることに興味
報告されている 5)。こうした属性上の特徴は、
を持ち、自分で効能を調べて、ブロン液の乱
乱用パターンを調べた追加調査にも表れてい
用を開始した」という症例もみられた。
る。一般的に、若年の薬物乱用は友人・知人な
乱用に伴う身体的・精神的な症状は、多種
多様であった。身体症状としては、慢性的な
ど身近な存在からの影響を受けて開始される
ことが多いが、本研究においても、
「友人・知人
便秘(症例 1)
、てんかん発作(症例 2)
、イン
の勧め」が乱用開始の契機となっていることが
フルエンザ様の症状、アカシジア様の症状
複数の症例で報告されている。また、
「違法では
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