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参考資料2-1 一般用医薬品の適正使用の一層の推進に向けた依存性の実態把握と適切な販売のための研究 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29460.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第3回 12/1)《厚生労働省》
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限されていないパブロンゴールドA、エスタックのような総合感冒薬の依存症例がいるこ
と。
2.

大量・頻回購入に対する販売制限や、乱用が疑われる者に対する「声かけ」をしている薬局・
ドラッグストアが存在する一方で、乱用・依存を後押しするような大量販売・不適切販売を

続けている薬局・ドラッグストアが存在すること。
「私みたいな依存者を出さないためにも、薬剤師さんには、ちゃんと売って欲しい」という患者
のメッセージを真摯に受け止め、薬局やドラッグストアなど一般用医薬品を販売する現場におけ
る予防啓発や、依存症患者の早期発見・早期介入を含めたサポート体制を考える必要がある。
研究 2:
「濫用等のおそれのある医薬品」の販売の取り扱いに関する実態把握調査(販売調査)
一般用医薬品の販売に関して次の4点が明らかとなった。
1.

頻回購入・複数個購入が発生しているのは、薬局より、ドラッグストア(店舗販売業)が多
かった。

2.

ジヒドロコデインを含有する鎮咳薬など、主として「濫用等のおそれのある医薬品」として
販売数量が制限されている医薬品が頻回購入・複数個購入の対象となっていた。

3.

一方、
「濫用等のおそれのある医薬品」としての規制の対象になっていない一部の製品(パブ
ロン/パブロンゴールドA/パブロンSゴールド等)も頻回購入・複数個購入の対象となって
いた。

4.

適正販売の取り組み事例としては、こまめな声掛けや、陳列の工夫(カウンターの背後に置
く、1 箱のみ又は空箱の陳列等)が多く、販売記録の作成、注意喚起の POP の作成、対象商
品購入時にレジで確認できるシステムの導入、近隣店舗との情報共有等があげられた。

【結論】以上の各研究より、次の結論が導かれた。
1.

患者調査を通じて、一般用医薬品の薬物依存患者の特徴が明らかとなった。また、販売調査
を通じて、
「濫用等のおそれのある医薬品」の頻回購入・複数個購入の実態が明らかとなっ
た。

2.

患者調査、販売調査の両方において、販売数量が制限されていない総合感冒薬(パブロン/パ
ブロンゴールドA/パブロンSゴールド、エスタック等)が、薬物依存・頻回購入・複数個購
入の対象となっている事実が明らかになったことから、行政においては、
「濫用等のおそれの
ある医薬品」の規制の在り方について、関係業界と議論する必要があると示唆される。

3.

販売調査からは、医薬品の適正販売に対する具体的な取り組み事例が示された一方で、患者
調査からは、乱用・依存を助長してしまうような大量販売・不適切販売を続けている薬局・
ドラッグストアが一部で存在する事実も明らかとなった。医薬品販売に関わる企業は、一般
用医薬品等の乱用・依存に対する理解を深めていくことが求められる。

4.

今後、各団体及び企業が主体となって、一般用医薬品等の販売に従事する者(薬剤師や登録
販売者)に対して、
「濫用等のおそれのある医薬品」に関する研修を充実させていくことが必
要である。具体的な研修内容としては、
「濫用等のおそれのある医薬品」の販売制度に関する
周知、顧客から頻回購入・複数個購入を求められた際の対応、薬物乱用・依存が疑われる患
者への対応等が想定される。薬剤師向けのゲートキーパー研修会等、処方薬乱用・依存や自
殺予防といったメンタルヘルス分野の既存研修をベースに、一般用医薬品等の販売者向けの
研修プログラムを組み立てていくことが可能と考えられる。

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