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参考資料3:厚生労働科学研究 特別研究(野出班)の報告書 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23962.html
出典情報 循環器病対策推進協議会 循環器病総合支援委員会(第1回 2/17)《厚生労働省》
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別添資料
循環器病総合支援センターと「社会連携に基づく循環器病対策・循環器病患者支援」
医療・介護・福祉を含めた多職種連携による急性期から回復期、維持期(生活期)へのシームレスな医
療提供体制の確保を推進するためには地域包括ケアシステムの確立が必要であり、具体的には要支援の
患者に対しては地域包括支援センターによる相談支援、要介護の患者に対しては介護支援専門員(ケア
マネジャー)を通じた介護保険制度の利用促進、経済的・心理的・社会的問題を抱える患者に対しては社
会福祉士等の医療ソーシャルワーカーによる相談支援などが必要と考えられる。
心血管疾患領域では「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に
関する基本法」の成立を見据え、2018 年より「地域におけるかかりつけ医等を中心とした心不全の診療
提供体制構築のための研究」が開始された。本結果では、①入院心不全患者への多職種心臓リハビリテ
ーションの実施は良好な患者予後と関連しており(Circ Heart Fail. 2020)
、②年齢に関係なく高齢者に
心臓リハビリテーションは効果がある(J Card Fail. 2021)一方で、③心不全患者の高齢化に伴い自宅退
院できた患者の約半数が 1 年以内に何等かの有害事象を起こしており、外来心臓リハビリテーションを
5 ヵ月間完遂した患者群では有害事象が非常に低く抑えられたと報告されている。これらの研究結果よ
り、心不全患者に対する急性期から回復期、維持期(生活期)にかけての心臓リハビリテーションを継続
する医療提供体制の構築が必要と考えられる。広義の概念としてリハビリテーションには患者への支援
や教育、運動・食事・服薬の管理などが含まれており、患者の状態や目的に合わせて広義のリハビリテ
ーション活動を急性期から回復期、持期(生活期)にかけて継続的に行うことは、循環器病対策・循環器
病患者支援にとって不可欠と考えられる。
一方、脳卒中は要介護原因第 2 位であり、特に要介護 4・5 の重度な後遺症を有する最も大きな原因
となっている。脳卒中患者の ADL・QOL 向上、さらに家族の QOL 向上には一刻も早い急性期治療、
急性期病院と回復期・維持期(生活期)を担う医療機関との連携、それぞれの病期に即したリハビリテ
ーションを含む医療の継続が必要である。また、治療と仕事の両立支援や運転免許、後遺症のサポート
などに加え,地域包括支援センターの活用、介護保険・在宅介護サービス・訪問診療・身体障害者認定
システム・精神障害者保健福祉手帳といった福祉サービスの提供が重要となる。2021 年に日本脳卒中学
会と回復期リハビリテーション病棟協会が、脳卒中領域の医療・介護・福祉の連携の問題について調査
した結果、連携を円滑に進めるためには、
「医療・介護側の問題(医療従事者の対応)」

「医療・介護側
の問題(制度・仕組み)


「本人・家族の問題(精神的,介護,金銭)
」、
「本人・家族の問題(知識)
」を
改善することが必要であった。具体的には、転院の問題、回復期以降の医療・リハビリテーション継続
の問題、装具作成・作り直しの問題、手帳診断等、医療者側の問題で障害福祉制度が利用できない患者
が存在すること、運転再開・就労の問題、適切な栄養経路の選択と実践の問題、家族の介護疲れ、老老
介護、ヤングケアラーなどの問題、高次脳機能障害者の生活費・療養生活の問題、アドバンス・ケア・
プランニング(ACP)の問題に対応することである。

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