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総ー4○個別事項(その15)について (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00233.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第574回 12/20)《厚生労働省》
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「循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方に関するワーキンググループ」報告書の概要
【循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方について(2018(平成30)年4月】
⚫ 循環器疾患は、我が国の主要な死亡原因のひとつであるとともに、全人的な苦痛(身体的・精神心理的・社会的苦痛等)を伴う疾患であるため、苦痛を
緩和し、生活の質の維持向上を目的とした緩和ケアが必要な疾患。
⚫ 循環器疾患患者に対して、適切な緩和ケアを提供するためには、緩和ケアの正確な概念の共有、多職種連携、地域連携、医療・介護・福祉連携、がん
との主な共通点・相違点の理解等の観点が重要。
心不全の重症度
(JCS/JHFS
ステージ分類1)

循環器疾患における緩和ケア

緩和ケアの対象となる循環器疾患


⚫ すべての心疾患に共通した終末的な病態であり、心疾患の病類別に見た死亡者数の第1位を占 機

め、今後の患者増加が予想される心不全が主な対象
循環器疾患患者の全人的な苦痛

⚫ 身体的・精神心理的・社会的側面等の多面的な観点を有する、全人的な苦痛が存在





・身体的苦痛:呼吸困難、全身倦怠感、疼痛等
・精神心理的苦痛:うつ、不安、認知機能障害、睡眠障害等
・社会的苦痛:家族や介護、経済的な問題等

⚫ 全人的な苦痛に対し、 多職種連携、地域連携、医療・介護・福祉連携による全人的なケアが必要

循環器疾患の臨床経過を踏まえた緩和ケア


⚫ 疾患の初期の段階から疾患の治療と並行して提供


⚫ 増悪と寛解を繰り返す心不全の臨床経過の特徴や必要とされるケアの内容を踏まえ、心不全の る


管理、緩和ケア、併存症を含めた全身管理をバランスよく実施


⚫ 地域において多職種が連携して行う心不全患者の管理全体の流れの中で提供

(多職種連携にかかわる医療従事者の人材育成、地域の医療機関の連携体制構築等が必要)

循環器疾患における緩和ケアのチーム体制

同一医療機関内に緩和ケアチームがあるケースのイメージ

~心不全患者の臨床経過及び提供されるケアのイメージ~
リスクステージ(ステージ A/B)

心不全ステージ(ステージ C)

治療抵抗性心不全ステージ(ステージ D)

治療抵抗性心不全(*)への移行
(心臓移植・補助人工心臓)
慢性心不全の増悪による入院治療

・高血圧、糖尿病、
動脈硬化性疾患等の
発症(ステージA)
・器質的心疾患の発症
(ステージB)

適応があれば補助人工
心臓や心臓移植を考慮

心不全症状出現

心不全患者の全人的な苦痛
・身体的苦痛(呼吸困難、全身倦怠感、疼痛等)
・精神心理的苦痛(うつ、不安、認知機能障害、睡眠障害等)
・社会的苦痛(家族や介護、経済的な問題等) 等

情報の共有(重症度・併存症の状態・患者の価値観等) / 多職種連携・地域連携による介入
心不全患者の状態に応じた、適切なケアの提供
支持的なコミュニケーションによる継続的な意志決定支援
従来のケア(原疾患への治療)
・薬物治療(RA阻害薬、β遮断薬、利尿薬、強心薬等)
・デバイス治療(両室ペーシング、植込み型除細動器等)
・増悪時の専門的な治療(全身管理、カテーテル治療等) 等
※高齢心不全患者では、併存症等を含めた全身管理も必要。

緩和的なアプローチを
中心としたケアプラン
への変更を考慮

循環器疾患の専門的な医療を提供する医療従事者の関与
かかりつけ医等を中心とした地域における総合的診療
専門的な緩和ケアを提供する医療従事者の関与
緩和ケア
・身体的苦痛に対するケア
・精神心理的苦痛に対するケア
・社会的苦痛に対するケア



*治療抵抗性心不全:ガイドラインに沿った治療を最大限行っても、慢性的に著明な心不全症状を訴える状態
時間経過
1:日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)

緩和ケアにおける循環器疾患(心不全)とがんの共通点・相違点

基本的な方向性
共通点
心不全多職種
既存の緩和ケア
高い
チーム
チーム
⚫ 互いの役割や専門性を理解した上での協働
⚫ 生命を脅かす疾患
当該医療機関の既存の緩和ケアチームと心不全多職種チームの連携
⚫ 既存の緩和ケアチームと心不全多職種チームの連携
⚫ 病気の進行とともに、全人的な苦痛が増悪
⚫ 多職種カンファレンスによる問題点の討議・解決
心不全患者 と
⚫ 緩和ケアに対する医療従事者及び患者や 身

その家族

その家族の誤解・抵抗感
⚫ 地域の実情や患者の意向等に応じた緩和ケアチーム

の設定

多職種介入、地域連携、医療・介護・福祉
地域の医療機関
(かかりつけ医等)
連携が必要
等 低い
⚫ 心不全多職種緩和ケアチームがかかりつけ医等の医
療機関をサポートできる体制の整備
同一医療機関内に緩和ケアチームがないケースのイメージ
循環器疾患における緩和ケアチーム体制のイメージ
相違点
既存の緩和ケア
心不全多職種
高い
チーム
チーム
⚫ 既存の緩和ケアチームと、心不全多職種チームの院 地域の既存の緩和ケアチームと心不全多職種チームの連携 ⚫ 疾病経過や予後予測の困難さ
⚫ 患者の年齢層や受療する医療機関
内連携に加えて、地域の医療機関(かかりつけ医等)

心不全患者 と
が連携(右図上)
⚫ 終末期における疾患の治療による苦痛緩 体

その家族

和への影響
⚫ 地域の既存の緩和ケアチームと心不全多職種チーム
が病院間で連携し、地域の医療機関(かかりつけ医
⚫ 適応となる薬物療法・非薬物療法の使用
地域の医療機関
(かかりつけ医等) ※院内及び在宅
等)がさらに連携(右図下)
方法
等 低い
の心不全患者

がん
比較的長い間、身体機能は保たれる。



最後の2か月くらいで
急速に身体機能が低下する。

死亡

時間経過

循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の臓器不全
増悪と寛解を繰り返しながら、徐々に身体機能が悪化する。
治療により症状や身体
機能が改善する事が多く、
経過予測が難しい。
最後は比較的
急速に身体機能が
低下する。



急速な身体機能の悪化を伴う場合もある。
(重度の神経症状が残存した脳卒中等)

時間経過

54
死亡