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令和5年度厚生労働省補助金事業「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」 報告書 (23 ページ)

公開元URL https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/work-efficiency-report2024.pdf
出典情報 令和5年度厚生労働省補助金事業「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」 報告書(4/2)《日本看護協会》
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■看護における業務効率化とは(「看護業務における『業務効率化』および『生産性』の定義・評価
基準」より)

『看護業務プロセスの中のムリ・ムダ・ムラを見つけだし、不要な業務そのもの、または、
業務に要する時間を削減し、生み出された時間をケアの受け手にとって価値のある時間に充
て、ケアの受け手の健康の保持増進、QOL の維持・向上、QOD の向上となること』
※看護における生産性とは看護職の労働力、他職種の労働力、物的資源、資本等を投入する
ことによって得られるケアの受け手の健康の保持増進、QOL の維持・向上、QOD の向上
の相対的な大きさ

・2021 年当時の検討においては、看護業務効率化に資するさまざまな取り組みが、どれも無駄
な業務時間の削減につながることを前提に議論がされていた。しかし、その後の応募事例や
試行支援事業の取組において、時間の削減にはつながらなくとも、患者負担の軽減やインシ
デント発生率の減少等の効果・成果が見られた取組もあったこと、「ムラ」にあてはまる、
組織内(看護職間、病棟間、事業所間等)における業務負担等の偏りが読み取れないこと等
が課題としてあげられた。これらのことから、補助金事業の最終年度における「ガイド」作
成にあたり、改めて委員会において看護業務効率化の考え方について、2021 年の検討内容お
よび 5 年間の事業評価を踏まえ、検討を行った。

(2)考え方の整理
・今後限られた看護人材で、求められる役割を発揮し、看護の対象者一人一人に対し質の高い
ケアを提供するために看護業務効率化は不可欠であることから、看護業務効率化の目的につ
いては、
「看護の質の維持」
、および、
「看護の専門性の更なる発揮および勤務環境改善を図る
こと(看護の質の向上)
」とした。
・看護業務効率化の内容については、2021 年は「看護業務プロセスの中のムリ・ムダ・ムラを
見つけだし」と表現していた。同時に「時間あたりの生産性」に重きを置き看護業務効率化
の中間アウトカムである時間の削減が強調されていた。また、応募事例の中には効率化では
ない取組内容も含まれていたことから、看護職が看護業務効率化を理解しやすく、かつ看護
業務効率化に資するすべての取組が内包されるよう、看護業務効率化とは何かを新たに検討
し、見直した。
・さらに、これまで人を扱う看護において「生産性の向上」とは「看護の価値を高めること」
であると考え、
「看護業務効率化・生産性の向上」の推進を掲げてきたが、
「看護の価値」は
「生産性」という言葉では言い表しきれず、さらにその価値は複合的な要素で高まるため、
業務効率化の成果として客観的に評価することは難しい。そのため、
「生産性の向上」という
言葉は使わないこととした。

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