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資料5-1 高齢者施設の服薬簡素化提言 (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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事例2:同じ薬剤である持続性製剤に変更した事例
療養環境

特別養護老人ホーム

問題点

覚醒不良による服薬困難

入居者背景

92歳 女性 要介護 4
慢性気管支炎、狭心症、高血圧症、鉄欠乏性貧血

処方

介入前:
用法は朝/昼/夕 3回
クエン酸第一鉄 Na 錠 50mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝夕食後

酸化マグネシウム錠 330mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝夕食後

アンブロキソール塩酸塩錠 15mg

1 回 1 錠(1 日 3 錠) 1 日 3 回毎食後

ニフェジピン L 錠 10mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝夕食後

一硝酸イソソルビド錠 20mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝夕食後

介入後:
用法は昼 1 回
クエン酸第一鉄 Na 錠 50mg

1 回 2 錠(1 日 2 錠) 1 日 1 回昼食後

酸化マグネシウム錠 330mg

1 回 2 錠(1 日 2 錠) 1 日 1 回昼食後

アンブロキソール塩酸塩徐放錠 45mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回昼食後

ニフェジピン CR 錠 20mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回昼食後

硝酸イソソルビドテープ 40mg

1 回 1 枚(1 日 1 枚) 1 日 1 回昼に貼付

服薬管理

管理者: 職員管理 ・ 管理方法: 一包化

経過

介入のきっかけ
特別養護老人ホームに入居中。服薬回数は 1 日 3 回で、施設職員が与薬していた。最近は朝
方の覚醒が不良で施設職員の介助による食事に時間がかかっていた。そのため食後は服薬姿
勢保持が困難となり、薬がスムーズに飲めなくなっていた。状況を把握した施設看護師は、服薬
回数を減らすことができないか、施設医師と施設の訪問薬剤師に相談し、服薬回数の見直しを
行うこととなった。

介入のポイント
クエン酸第一鉄 Na 錠、酸化マグネシウム錠は 1 日用量を変更することなく 2 回投与から 1 回
投与へ変更が可能であり 1 日 1 回とした。アンブロキソール錠、ニフェジピン L 錠は1日1回投
与の徐放性製剤に、硝酸イソソルビド錠は持続性のテープ剤に変更することで、すべての薬剤の
用法を 1 日 1 回に集約した。服薬のタイミングは覚醒状態が良好な時間帯を考慮して 1 日 1
回昼食後とした。

介入後の経過
服薬のタイミングが 1 日 1 回昼になったことで、朝の覚醒不良の時間を避けて、覚醒状態が良
好な時間帯に服薬することによりスムーズな服薬が可能となり、本人と介助者の負担軽減につ
ながった。施設職員には、食欲低下や便秘・下痢等の消化器症状、血圧の変動等の観察を依頼
したが、剤形変更後も症状の変化はなく経過は良好であった。

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