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資料5-1 高齢者施設の服薬簡素化提言 (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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事例3:同効の別薬剤へ変更した事例
療養環境

介護老人保健施設

問題点

独居による在宅復帰に向けた服薬回数の調整

入居者背景

78 歳 男性 要介護 3
アルツハイマー型認知症、脳梗塞、心房細動、前立腺肥大症、骨粗鬆症

処方

介入前:
用法は起床時/朝前後/夕前後/眠前 6 回
シロドシン OD 錠 4mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝夕食後

アピキサバン錠 2.5mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝夕食後

リセドロン酸 Na 錠 17.5mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 週 1 回起床時、

抑肝散エキス顆粒 2.5g

1 回 1 包(1 日 2 包) 1 日 2 回朝夕食前

バルプロ酸 Na 錠 100mg

1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回朝食後と眠前

ゾルピデム錠 5mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回眠前

介入後:
用法は昼前/眠前 2 回+月 1 回起床時

服薬管理

タムスロシン塩酸塩 OD 錠 0.2mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回昼食前

エドキサバン錠15mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回昼食前

リセドロン酸 Na 錠 75mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 月 1 回起床時、

抑肝散エキス顆粒 2.5g

1 回 1 包(1 日 2 包) 1 日 2 回昼食前と眠前

バルプロ酸 Na 徐放錠 200mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回眠前

ゾルピデム錠 5mg

1 回 1 錠(1 日 1 錠) 1 日 1 回眠前

管理者: 職員管理⇒デイケア・家族管理
管理方法:一包化⇒一包化・服薬カレンダー管理

経過

介入のきっかけ
介護老人保健施設に入所中。在宅復帰予定となり、退所に向けて多職種によるカンファ
レンスが行われた。夜間と週末は近くに住む息子の協力が得られたが、日中は独居とな
り服薬管理が問題となった。平日はデイケアに通うことにより服薬が可能となったが、家
族の協力が得られる夜間に服薬のタイミングをまとめることが可能か服薬回数の見直し
を行うこととなった。
介入のポイント
1 日 2 回のシロドシン錠、アピキサバン錠は、服薬回数が減ることを期待して、同効薬である 1 日
1 回のタムスロシン錠、エドキサバン錠に、症状の変化がないことを確認して順に変更した。リセド
ロン酸 Na 錠は週 1 回から月 1 回に変更することで、与薬に対する負担を軽減した。バルプロ酸
Na 錠は徐放性製剤に変更し、不穏が現れやすい眠前に合わせた。朝に服用していた薬剤は昼前
に、夕に服用していた薬剤は眠前に服薬のタイミングを合わせた。
介入後の経過
昼はデイケアで、週末と夜間は家族が管理することで、薬物治療を継続しながら独居生活を送れ
るようになった。同効薬に変更後も症状に変化はなく経過は良好であった。服薬回数が減ったこと
で、服薬管理について無理のない範囲で家族が協力することが可能となった。
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