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資料5-1 高齢者施設の服薬簡素化提言 (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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7. 文献レビュー結果の要約
本提言の作成にあたり、スコーピング・レビュー41 の手法を用いて、関連する既存の知見を特定・整理し
た。研究疑問(リサーチ・クエスチョン)は、「高齢者施設入所者/入居者における薬物治療の複雑性の実態
や影響、あるいは服薬簡素化介入やその効果」とした。検索データベースとして PubMed 及び医学中央雑
誌を用い、2024 年 3 月 6 日に文献検索を行った。検索式は、PubMed では「(medication* OR drug*
OR prescri* OR polypharmacy OR pharmacotherapy) regimen* (complex* OR simpl*)
("long-term care" OR "aged care" OR "nursing home*" OR "care home*" OR "group home*"
OR institutionali*)」、医学中央雑誌では、「(介護施設 OR 高齢者施設 OR 介護保険施設 OR 特別
養護老人ホーム OR 介護老人福祉施設 OR 介護老人保健施設 OR サービス付き高齢者向け住宅 OR
有料老人ホーム OR グループホーム OR 介護医療院) AND (薬物 OR 薬)」とし、原著論文に限定し
て検索した。
付図 1 のフローチャートに示すとおり、PubMed から 141 件、医学中央雑誌から 891 件が抽出され、タ
イトルと抄録によるスクリーニング後、全文を確認した結果、16 件を分析対象として選択した(海外の研究
12 件、国内の研究 4 件)。
研究内容により、大きく 4 つのグループ(1.薬物治療の複雑性の実態、2.薬物治療の複雑性の影響、3.
服薬簡素化介入やその効果、4.服薬介助負担)に研究を分類した。その分類ごとの各研究の要約を付表 1
および 2 に示す。1~3 は海外の研究のみ、4 は国内の研究のみであった。
これまでに得られている主な知見は以下のとおりである:(1)海外の実態調査より、高齢者施設における
薬物治療の複雑性は比較的高い、(2)MRCI を用いて評価した場合、投与頻度が薬物治療の複雑性への
寄与が最も大きい、(3)高齢者施設における薬物治療の複雑性は入院リスクと関連する、(4)薬剤師を中
心とした介入により、おおむね有害事象の増加なく、投与回数の減少や服薬介助負担の軽減が期待できる。
なお、関連研究は少数であり、とくに国内の研究からのエビデンスは乏しいため、さらなる検証が必要である
こと、高齢者施設の種類、服薬自己管理/服薬介助、スタッフの配置等が異なる可能性があり、各施設にあっ
た方法を確立する必要がある。

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