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資料5-1 高齢者施設の服薬簡素化提言 (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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(2)施設職員の与薬負担と医療安全
薬物治療の複雑性は、看護師や介護職の与薬負担を考える上でも問題となる。施設内で、薬を日常的に
管理している職種は看護師であり、配薬には介護職も関与しているが、薬の専門知識を有する医師や薬剤
師が常駐しない施設において、服薬管理に対する負担は大きく24、25、国内の高齢者施設において、施設職員
の 40-50%が服薬介助に負担を感じていると報告されている 24、26。
また、高齢者施設において、服薬介助を要する入所者/入居者は、およそ 60%と報告されているが 27、前
述の通り、入所者/入居者の多くは多病ゆえに多剤処方である上に、投与経路(内服、外用、インスリンを含
む注射製剤等)、服薬タイミング(食前、後等)、投与頻度(隔週等)もさまざまであり、入所者/入居者に応じ
た服用指示の遵守が求められる。加えて、加齢に伴う身体・認知機能の低下に応じた服薬介助が求められ、
1 回の服薬介助に対する介助者の負担感は強い 28。
施設におけるマンパワー不足も服薬管理において重要な課題である。特に夜間の従事者は昼間に比して
少ないにも関わらず、入所者/入居者の服薬のタイミングは朝・夕食後の夜勤帯に集中している現状がある
29

。実際に服薬介助にあたる看護師、介護職の配置や業務時間を考慮し、服薬を昼に集約することによって、

介助者の負担軽減だけでなく、服薬介助に割いていた時間を、他業務へ充てることが可能となり、より質の
高いケアの提供が期待できる。
また、看護師や介護職の負担感やマンパワー不足は、医療安全の観点からも懸念される。国内では高齢
者施設において、転倒や外傷に次いで、「誤薬」の事故が多く報告されており 30、それは国内に限らず、国外
でも同様である 31-34。その要因として、多くは職員の不足や、他業務による与薬、配薬作業の中断が指摘さ
れているが、薬物治療の複雑性も影響している可能性がある。服薬簡素化によって、配薬間違いや与薬ミス
等による誤薬を防ぎ、入所者/入居者に対する安全の担保が必要である

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