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資料5-1 高齢者施設の服薬簡素化提言 (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html |
出典情報 | 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》 |
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はじめに
超高齢社会を迎えた現在、多病を抱えて要介護状態にある高齢者の増加が著しい。要介護高齢者
には、高齢者施設に入所・入居し、そこで医療や介護を受けながら生活している方も多いが、服薬管
理に問題を抱えることがしばしばある。その理由としては、認知機能低下、手指の巧緻性低下など
の運動機能低下、嚥下機能低下といった高齢者自身の服薬管理能力低下に加えて、ポリファーマシ
ーの存在、さらには、マンパワー不足など服薬支援を行う施設側の課題も挙げられる。施設では職
員の勤務シフトを組んで朝昼夕、眠前の配薬・与薬・服薬確認に対応しているが、現状の処方では、
他のケアもある中で服薬支援を確実に遂行するには限界がある。
まず、ポリファーマシーに対して処方見直し(medication review)を行い、必要最小限の服薬数
にすることが求められる。ただ、上手く処方見直しを行えたとしても数種類の薬剤が残れば服薬管
理の問題は依然として残る。
ではどうすればよいか?服薬回数を減らし、できれば 1 日 1 回にすることである。それも、高齢
者施設の特性を考慮すると、最も職員の多い昼に服薬を集中させるのが最善ではないのか?このよ
うな意見が高齢者施設とそこに関わる医療介護職種から集まり、日本老年薬学会では、2023 年 9 月
にワーキンググループを結成してこの仮説の検討を開始した。施設側、高齢者側双方にとってメリ
ットが期待できる反面、昼服用に適さない薬剤や相互作用などの課題も挙げられた。そして、スコ
ーピング・レビューを含む作業を経て、
「高齢者施設の服薬簡素化提言」の完成に至った。多大な尽
力をいただいたワーキンググループのメンバーに心からの感謝を申し上げる。また、本提言の作成
に際して確認と承認をいただいた日本老年医学会および全国老人保健施設協会に対しても深謝申し
上げる。尚、服薬簡素化と昼 1 回の考えは、高齢者施設の入所者・入居者だけでなく、病院に入院中
の方や訪問診療を受けているような在宅高齢者にも適する場合があり、今後さらに検討を進めてい
きたい。
医師・歯科医師、薬剤師、看護師を含むすべての医療介護福祉専門職に活用いただければ幸いで
ある。
2024 年 5 月
代表 秋下 雅弘
4
超高齢社会を迎えた現在、多病を抱えて要介護状態にある高齢者の増加が著しい。要介護高齢者
には、高齢者施設に入所・入居し、そこで医療や介護を受けながら生活している方も多いが、服薬管
理に問題を抱えることがしばしばある。その理由としては、認知機能低下、手指の巧緻性低下など
の運動機能低下、嚥下機能低下といった高齢者自身の服薬管理能力低下に加えて、ポリファーマシ
ーの存在、さらには、マンパワー不足など服薬支援を行う施設側の課題も挙げられる。施設では職
員の勤務シフトを組んで朝昼夕、眠前の配薬・与薬・服薬確認に対応しているが、現状の処方では、
他のケアもある中で服薬支援を確実に遂行するには限界がある。
まず、ポリファーマシーに対して処方見直し(medication review)を行い、必要最小限の服薬数
にすることが求められる。ただ、上手く処方見直しを行えたとしても数種類の薬剤が残れば服薬管
理の問題は依然として残る。
ではどうすればよいか?服薬回数を減らし、できれば 1 日 1 回にすることである。それも、高齢
者施設の特性を考慮すると、最も職員の多い昼に服薬を集中させるのが最善ではないのか?このよ
うな意見が高齢者施設とそこに関わる医療介護職種から集まり、日本老年薬学会では、2023 年 9 月
にワーキンググループを結成してこの仮説の検討を開始した。施設側、高齢者側双方にとってメリ
ットが期待できる反面、昼服用に適さない薬剤や相互作用などの課題も挙げられた。そして、スコ
ーピング・レビューを含む作業を経て、
「高齢者施設の服薬簡素化提言」の完成に至った。多大な尽
力をいただいたワーキンググループのメンバーに心からの感謝を申し上げる。また、本提言の作成
に際して確認と承認をいただいた日本老年医学会および全国老人保健施設協会に対しても深謝申し
上げる。尚、服薬簡素化と昼 1 回の考えは、高齢者施設の入所者・入居者だけでなく、病院に入院中
の方や訪問診療を受けているような在宅高齢者にも適する場合があり、今後さらに検討を進めてい
きたい。
医師・歯科医師、薬剤師、看護師を含むすべての医療介護福祉専門職に活用いただければ幸いで
ある。
2024 年 5 月
代表 秋下 雅弘
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