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【資料1ー2】働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会 議論の取りまとめ (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41124.html
出典情報 社会保障審議会 医療保険部会(第180回 7/3)《厚生労働省》
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Ⅳ.短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲の在り方
(1)労働時間要件
週の所定労働時間が 20 時間以上であることは、短時間労働者が被用者保険の適
用対象にふさわしい「被用者」としての実態を備えているかどうか等を判断する
基準として、雇用保険法の適用基準の例も参考にしながら設定されたものである。
本懇談会の議論においては、2028(令和 10)年 10 月より雇用保険の被保険者の
要件のうち、週の所定労働時間を「20 時間以上」から「10 時間以上」に変更し、
適用対象が拡大されること、最低賃金の引上げや非正規雇用労働者の賃上げが進
んでいるため、労働時間が週 20 時間未満であっても賃金要件を満たす場合が出て
くること等を踏まえ、本要件の引下げを検討する必要があるとの意見や、全ての
労働者に被用者保険を適用することが望ましく、事業所等の負担とは切り離して
検討して次期制度改正で引下げを行うべきとの意見があった。また、労働時間要
件や賃金要件は、いずれかに該当すれば適用となる制度に見直すべきとの意見も
あった。
一方、これまでの被用者保険の適用拡大においても指摘されてきたように、事
業所においては、被保険者が増えることによる保険料や事務負担の増加が経営に
大きな影響を与え得ること、短時間労働者が現状よりも更に就業調整を行う可能
性、複数事業所で適用要件を満たす事例が増加し、事業所や保険者における事務
負担が増加すること等を懸念する意見があった。
また、事業主と被用者や、被用者同士の関係性に基づく、相互の支え合いの仕
組みである被用者保険において、法定の労働時間である週 40 時間の半分である週
20 時間以上を特定の事業所で働いていることは、保険集団の一体性や連帯感とい
う観点から一定の意義があり、その引下げについては慎重な検討が必要との意見
が複数見られた。さらに、制度面から見ても、雇用保険は雇用関係に内在する失
業等のリスクをカバーする唯一の公的保険である一方、健康保険・厚生年金保険
は、国民健康保険・国民年金というセーフティネットが存在する国民皆保険・皆
年金の下で、個々の雇用関係を超えた業務外の疾病や老齢等のリスクをカバーす
る公的保険であり、こうした違いも踏まえるべきとの意見があった。
医療保険制度の観点からも、各保険者の財政基盤や保険者機能等に与える影響
が大きいことから、適用拡大に一定の歯止めをかけることを含め、関係者の意見
も聞きながら検討する必要性が指摘された。
こうした意見を踏まえれば、本要件の引下げについては、雇用保険の適用拡大
等を踏まえ検討が必要との見方がある一方、これまでの被用者保険の適用拡大に
おいても指摘されてきた保険料や事務負担の増加という課題は、対象者が広がる
ことでより大きな影響を与えることとなる。また、雇用保険とは異なり、国民健
康保険・国民年金というセーフティネットが存在する国民皆保険・皆年金の下で

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