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【資料1ー2】働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会 議論の取りまとめ (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41124.html
出典情報 社会保障審議会 医療保険部会(第180回 7/3)《厚生労働省》
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Ⅴ.個人事業所に係る被用者保険の適用範囲の在り方
被用者保険が適用される事業所の範囲については、1922(大正 11)年に健康保
険法が制定された際に、制度実施が比較的容易と考えられた工業的事業のうち、
工場法及び鉱業法の適用を受ける事業所を強制適用、これらの法の適用を受けな
い工業業種を任意適用として始まり、産業発展の状況や適用事務の実現可能性を
踏まえつつ、徐々に拡大されてきたものである22。
本懇談会の議論においては、事業所への影響の観点から慎重な意見も見られた
が、労働者の勤め先や働き方、企業の雇い方に中立的な制度を構築する観点や、
強制適用となる業種の追加が断続的に行われていた 1953(昭和 28)年までと比べ
ると、我が国の産業構造が変化してきたこと、業種については制度の本質的な要
請による限定ではなく合理的な理由は見出せないこと等から、まずは、常時5人
以上を使用する個人事業所における非適用業種を解消する方向で検討する必要が
あるとの見方が大勢を占めた。
併せて、非適用業種を解消する際に対象となる事業所は、規模の小さな事業所
が大半を占めることや、既に業種問わず適用事業所となっている法人とは異なり、
新たに被用者保険の適用事業所となること等から、短時間労働者の適用要件の見
直し以上に、事務負担や経営への影響が懸念されるため、実態を踏まえながら、
きめ細かな支援策が必要との認識が共有された。具体的には、準備期間の十分な
確保、専門家による事務支援、適正な価格転嫁に向けた支援が必要との指摘のほ
か、現在の支援策の実施状況を踏まえつつ、生産性向上等で活用可能かつ申請が
簡便な助成金を検討すべきとの指摘など、様々な意見があったところであり、実
態を踏まえた配慮措置を検討することが求められる。また、保険者の財政や運営
に対する影響を懸念する指摘もあった。
5人未満の個人事業所については、中立的な制度を構築する観点から本来的に
は適用するべきとの意見や、事業所の事務処理能力とは切り離して検討し、別途
支援策を講じた上で次期制度改正において対応すべきとの意見があった一方、対
象となる事業所が非常に多いため、その把握が難しいと想定されること、国民健
康保険の被保険者のうち一定の勤労所得を有する者が被用者保険に移行すること
となれば、国民健康保険制度への影響が特に大きいこと等から、慎重な検討が必
要との意見もあった。
こうした意見を踏まえれば、常時5人以上を使用する個人事業所における非適
用業種については、5人未満の個人事業所への適用の是非の検討に優先して、解
消の方向で検討を進めるべきである。併せて、見直しを行った場合に対象となる
事業所は新たに被用者保険の適用事業所となる小規模事業者が大半であることも

22

適用事業所の範囲に関する詳しい経緯は、P3を参照。

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