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【資料1ー6】学会における対応 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24780.html
出典情報 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第6回 3/25)《厚生労働省》
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2.国内での生産体制の整備
Key drugs の中で国内にて最も汎用されているペニシリン系やセフェム系の薬剤(β-ラ
クタム系抗菌薬)は 6APA、7ACA といった原薬から製造されているが、その大半は現
在、中国の特定の工場に生産が委ねられている。現在、これら原薬の価格は上昇し、政
治的要因などにより供給が途絶えるリスクも負っている。それを受けて、すでに国内で
も複数の企業が原薬の国内生産に向けて準備を進めており、国からも一部補助金が出て
いる。この取り組みは危機管理の面からも非常に重要であることは間違いないが、工場
ができれば問題が解決するわけではない。感作性の問題から他の医薬品製造に流用でき
ないβ-ラクタム系抗菌薬の生産について、今後も国内の生産体制を安定して継続させ
るためには、原薬を国が買い上げる、国内製造品へのインセンティブを検討するなど、
長期にわたって国内での生産体制を維持できる仕組みを検討していただきたい。
3.サプライチェーンの状況把握と課題の把握
「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」において、医薬品のサプライチェー
ンが細かく分割されており、特に抗菌薬は複数の国の企業が関わって複雑化しているこ
とが明らかになった。その過程のどこかで問題が生じても安定供給が脅かされることに
なり、特に製造のグローバル化は政治面の影響も受けやすく、さらにコロナ禍の影響も
大きくみられている。そのため、最も優先して取り組みを行うカテゴリ A の安定確保
医薬品などについては、国としてサプライチェーンの状況を詳細に把握し、問題が認め
られれば供給不足が起こる前に対応策が取れるよう積極的に取り組んでいただきたい。
4.後発医薬品を含めた医薬品の品質確保
近年多発している医薬品の自主回収や出荷停止は、企業の製造管理や品質管理が適切に
行われていなかったことにより業務停止命令や業務改善命令が課されたことが要因と
考えられる。これらは本来、各企業が自ら適切な管理体制を構築すべきものであること
は明らかであるが、特に長期収載の後発医薬品にこのような問題が集中しており、コス
ト面を追求せざるを得なかった企業の状況が推測される。これは結果として医薬品の安
定供給を危うくするものであり、後発医薬品の生産体制を検証し、医薬品全体の品質確
保を担保していただくことを要望する。

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