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参考資料1-2  浜口班の議論における参考資料(令和3年10月25日開催) (111 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24719.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和3年度第6回 3/29)《厚生労働省》
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明した上で、今後出現する新たな変異株についても本剤の有効性をどのように検討する予定であるか説
明するよう求めた。
申請者は、以下のように回答した。
オックスフォード大学及びウィットウォーターズランド大学と提携した予備的評価において、
COV002 試験から得られたデータ(20





日時点、未ロックデータ)に基づき、B.1.1.7 系統の変

異株に対する本剤の有効性及び免疫原性を評価した(Lancet 2021; DOI:https://doi.org/10.1016/S01406736(21)00628-0)。有効性の主要評価の対象となったイベントであってウイルスの塩基配列が得られて
いるもののうち、34 イベント(28.3%)が B.1.1.7 変異株、86 イベント(71.7%)が非 B.1.1.7 変異株で
あった。本剤の VE は、B.1.1.7 変異株及び非 B.1.1.7 変異株でそれぞれ 74.6%[両側 95% CI: 41.6, 88.9]
及び 84.1%[両側 95% CI: 70.7, 91.4]であり、類似していた。一方、本剤を接種された被験者の血清を用
いた実ウイルス中和抗体分析法では、B.1.1.7 変異株に対する中和抗体価は Victoria 株26)に対する中和抗
体価の 9 分の 1 であった(GMT[両側 95%CI]はそれぞれ 58[44, 77]及び 517[424, 631])。
また、オックスフォード大学及びウィットウォーターズランド大学と提携した予備的評価において、
COV005 試験から得られたデータ(20





日時点、未ロックデータ)に基づき、B.1.351 系統の

変異株に対する本剤の有効性及び免疫原性を評価した(N Engl J Med 2021; DOI: 10.1056/NEJMoa2102214)。
主要な解析において、本剤群の 2.5%(19/750 例)、プラセボ群の 3.2%(23/717 例)に COVID-19 の発
症が認められ、VE は 21.9%[両側 95% CI: -49.9, 59.8]であった。COVID-19 を発症した被験者 42 例の
うち、ウイルスの塩基配列が得られ、かつ B.1.351 系統であった被験者は 39 例であり、B.1.351 変異株
に対する本剤の VE は 10.4%[両側 95% CI: -76.8, 54.8]であった。一方、本剤を接種された被験者の血
清を用いた実ウイルス中和抗体分析法では、B.1.1 株27)に対する中和活性を示した 12 検体のうち、7 検
体(58%)では B.1.351 変異株に対する中和活性が認められず、残りの 5 検体では 4.1~31.5 倍の活性低
下が認められた。したがって、B.1.351 変異株について、軽症~中等症の COVID-19 に対する防御効果は
確立されていないが、T 細胞エピトープの交差反応性及び開発中の他のワクチンにおけるデータから、
本剤は B.1.351 株による重症の COVID-19 に対してなお防御効果を示す可能性がある。申請者は現在、
関連する変異株が蔓延している地域における、入院や重症化に対する有効性に関するデータを取得する
方策について検討中である。
P.1 系統(B.1.1.248 系統)についても、可能な限り早期にこの分離株の表現型に関する解析を実施す
る計画である。B.1.429 変異株については、2021 年 2 月時点で米国において流行している SARS-CoV-2
の 10~20%程度が B.1.429 変異株であったことから(https://outbreak.info/situation-reports?pango=B.1.429&
loc=USA&loc=USA_US-CA&selected=USA_US-CA(最終確認日:2021 年 4 月 6 日))、米国、チリ及び
ペルーで実施中の D8110C00001 試験から、B.1.429 系統について有効性に関する何らかのデータが得ら
れる可能性がある。
また、COV001 試験(7.1.2 項参照)で本剤を 2 回接種した被験者の血清を用いて B.1.1.7、B.1.1.248 変
異株及び B.1.351 変異株に対する中和抗体を測定した結果は、3.R.2 項のとおりであった。
申請者は、以下の包括的なウイルス学的臨床調査プランを作成しており、今後も引き続き実施する。


本剤の臨床試験における COVID-19 症例から採取した SARS-CoV-2 陽性検体から増幅され塩基配列
が決定されたウイルスゲノムについて、同時に生じているアミノ酸変異の頻度を決定し系統を割り

26) Australia/VIC01/2020 株:2020 年 1 月に中国の武漢からメルボルンに到着直後に COVID-19 を発症した患者の鼻咽頭スワブから分離
されたウイルス株。S タンパク質に S247R 変異を有するが、初期に流行したウイルス株と感染性は同等と推測される。
27) 南アフリカ共和国の COVID-19 流行第 1 波において得られた検体から分離させた B.1.1 D614G 変異株。

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バキスゼブリア筋注_アストラゼネカ株式会社_特例承認に係る報告書

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