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資料3-3 ストラテラカプセル及びストラテラ内用液にて検出された新規ニトロソアミンの限度値について(企業見解)[7.8MB] (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42464.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第5回 8/28)《厚生労働省》
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令和6年8月28日
令和6年度第5回医薬品等安全対策部会
安全対策調査会

資料3-3

ストラテラカプセル及びストラテラ内用液にて検出された新規ニトロソアミンの限度値に
ついて

日本イーライリリー株式会社及び Eli Lilly and Company(以下、Lilly)はストラテラカプセ
ル及びストラテラ内用液にて検出された N-ニトロソアトモキセチンに対して、証拠の重み
付けによるアプローチを使用して、4400 ng /day を安全で適切な 許容摂取量であると判断し
た。この証拠の重み付けによるアプローチにおいて、Lilly は以下の 4 項目を用いている。


ニトロソアミン類の既知の作用機序



物理的化学的特性に基づくリードアクロス(Jolly et al 2024)



量子力学モデル(De et al 2024)及び QSARFlex 等の In silico モデル(Jolly et al 2024)



In vivo 遺伝子突然変異試験(Jolly et al 2024)

許容摂取量 4400 ng/day を支持する主要なデータである In vivo 遺伝子突然変異試験の結果
については、以下に要約を記載する。また、許容摂取量 4400 ng/day を支持するその他のデ
ータを含む参考文献(Jolly et al 2024 及び De et al 2024)についても併せて提示する。
N-ニトロソアトモキセチンは In vivo 変異原性の観点から、他のより強力なニトロソアミン
類とは明確に区別されるということが特に重要であり、このことはリードアクロス分析によ
っても支持されている。N-ニトロソアトモキセチンは他のより強力なニトロソアミン類のよ
うに ICH M7(R2)で特定されている cohort of concern には該当しない。ICH M7(R2)では、
発がん性データがなく、cohort of concern に該当しない変異原性不純物の毒性学的懸念の閾値
(TTC)として、生涯曝露を考慮して 1.5 µg/day(1500 ng/day)を正当化している。当該
TTC においては、発がんリスクは無視できる程度の増加であり、過剰発がんリスクは生涯曝
露において 10 万分の 1 未満として定義されている。その考えに基づいて、1500 ng/day を AI
として設定することは科学的にも合理的な考え方である。
In vivo 遺伝子変異試験の結果概要:
Ames 試験において陽性である N-ニトロソアトモキセチンについて、トランスジェニック
ラットを用いた in-vivo 遺伝子変異試験を OECD 試験ガイドライン及び GLP の要求事項に従
って実施した。その結果、N-ニトロソアトモキセチンは、cII 遺伝子の変異頻度を、十二指
腸組織において 100 mg/kg/day、肝臓において 30 mg/kg/day 以上の用量で増加させることが示
された。一方で 0.1、0.537、5 mg/kg/day の低い用量では肝臓における変異頻度は増加せず、
用量反応関係における「閾値」が示された。in vivo 遺伝子変異試験における無影響量
(NOEL)は 5 mg/kg/day であり、ベンチマーク用量信頼区間の下限値(BMDL;データ解析
に対する十分に検証されたベンチマーク用量アプローチに基づく)は 4.4 mg/kg/day であった。
許容摂取量 4400 ng/day は腫瘍発生率が 50%となる用量 TD50 の代わりに ICH M7(R2)の原
理に基づき、BMDL の値を保守的に用いて設定した[ICH M7(R2)注 4]

Lilly は許容摂取量の算出に関するメカニズムベースのリスク評価手法は、以下に記載する
とおり科学的に妥当性が保証された方法であると考える。

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