よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料2 がん対策推進基本計画(第3期)<平成30年3月> (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25869.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第35回 5/25)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

ること、全てのがん診療に携わる医師に対して、基本的な緩和ケアの知識と技
術を習得させるための緩和ケア研修会を開催すること、
「がん緩和ケアガイドブ
ック」を改訂することなど、緩和ケアの充実を図ってきた。
国及び地方公共団体は、引き続き、患者とその家族の状況に応じて、がんと
診断された時から身体的・精神心理的・社会的苦痛等に対する適切な緩和ケア
を、患者の療養の場所を問わず提供できる体制を整備していく必要がある。そ
の際、緩和ケアが、がん治療に伴う副作用・合併症・後遺症に対する支持療法
と併せて提供されることで、苦痛が迅速かつ十分に緩和されるような体制とす
る必要がある。

① 緩和ケアの提供について
(現状・課題)
これまで、拠点病院等を中心に、緩和ケアチーム等の専門部門の整備を推進
してきた。拠点病院等に、緩和ケアチームや緩和ケア外来が設置され、苦痛の
スクリーニング41が実施されるようになったが、実際に、患者とその家族に提供
された緩和ケアの質については、施設間で格差がある等の指摘がある。中間評
価においても、
「身体的苦痛や精神心理的苦痛の緩和が十分に行われていないが
ん患者が3~4割ほどいる」との指摘があり、がん診療の中で、患者とその家
族が抱える様々な苦痛に対して、迅速かつ適切なケアが十分に提供されていな
い状況にある。
苦痛のスクリーニングによって、患者の苦痛が汲み上げられたとしても、主
治医から緩和ケアチームへとつなぐ42体制が機能していないとの指摘がある。ま
た、施設内での連携が十分にとられておらず、緩和ケアチーム、緩和ケア外来、
がん看護外来、薬剤部門、栄養部門等による施設全体の緩和ケアの診療機能が
十分に発揮されていない状況にある。
緩和ケアは、全人的なケアが必要な領域であり、多職種による連携を促進す
41

「苦痛のスクリーニング」とは、診断や治療方針の変更の時に、身体的苦痛や精神心理
的苦痛、社会的苦痛など、患者とその家族にとって重要な問題でありながらも取り上げら
れにくい問題について、医療従事者が診療の場面で定期的に確認し、話し合う機会を確保
すること。
42
ここでいう「つなぐ」とは、医療従事者が専門的な緩和ケアについて、緩和ケアチーム
や緩和ケア外来等に相談し、その後も双方向性に協働すること。
44