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資料4-1 経済財政運営と改革の基本方針2022 (24 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和4年第8回 6/7)《内閣府》
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る一方的な現状変更やその試みが生じており、安全保障環境は一層厳しさを増しているこ
とから、外交・安全保障双方の大幅な強化が求められている85。こうした中、同志国の集ま
りであるG7の政策協調が密接に行われるようになってきているとともに、
「自由で開か
れたインド太平洋」の実現に向けた協力も一層重要になってきている。また、NATO諸
国においては、国防予算を対GDP比2%以上とする基準を満たすという誓約へのコミッ
トメントを果たすための努力を加速することと防衛力強化について改めて合意がなされ
た86。
我が国は、次期G7議長国として、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価
値に基づく国際秩序の維持・発展のための外交を積極的に展開する。ウクライナ侵略には
経済制裁等により毅然と対応し、ウクライナ及び周辺国等への支援を強化する。
「自由で
開かれたインド太平洋」の実現に向け、日米同盟を基軸としつつ、豪印、ASEAN、欧
州、太平洋島しょ国等の国・地域との協力を深化させ、日米豪印の取組等も活用するとと
もに、TICAD8を通じアフリカとの連携を強化する。安保理改革を含む国連の強化、
法の支配の確立、国際機関邦人職員の増強、国際裁判を含む国際法に基づく紛争解決、コ
ロナ禍からの回復を含む地球規模課題への取組を推進し、人権問題、人間の安全保障、核
を含む軍縮・不拡散等の課題に取り組む。
北朝鮮との関係では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包
括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す。
これらの取組を推進するため、時代に即した国際協力の在り方を模索するとともに、国
際機関とODAを通じた国際協力を適正・効率的かつ戦略的に活用しつつ、ODAを拡充
する87ほか、偽情報対策・戦略的対外発信、親日派・知日派の育成、デジタル化・情報防護、
情報収集・分析力の向上等を推進し、外交力の強化に取り組む。
その基盤として、人的体制、財政基盤、在外公館の整備を図り、邦人保護体制等を含め
外交・領事実施体制を抜本的に強化する。
また、前述の情勢認識を踏まえ、新たな国家安全保障戦略等の検討を加速し、国家安全
保障の最終的な担保となる防衛力を5年以内に抜本的に強化する。
特に、スタンド・オフ防衛能力や無人化装備、宇宙・サイバー・電磁波領域を含む領域
横断能力、機動展開能力、指揮統制・情報関連機能を強化するとともに、政府の他の枠組
みも活用しつつ、民生技術を取り込み、AI、無人機、量子等の先端技術の研究開発を進
める。
あわせて、防衛力の持続性・強靱性を確保するとともに、現有装備品を真に有効に活用
するため、必要な弾薬の確保、装備品の維持整備、隊舎・宿舎の老朽化対策への重点的な
取組を進める。
85

2022 年5月23 日の日米首脳会談において両首脳は、日米同盟を強化することを改めて確認したほか、台湾に関する両国
の基本的な立場に変更はないことを確認し、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を
強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促した。
86
NATO諸国の中でG7メンバーでもあるドイツは、国防予算を対GDP比2%とすることを表明し、そのために憲法に
相当する基本法を改正し、新規借入によって1,000 億ユーロの特別基金を設立しつつ、その償還方法については別途法律で
定めることとしている。
87
JICAによる人材育成等の協力を含む。

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