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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》 |
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間後に皮疹が出現する。
c. 光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎:同じ医薬品を使用していても、紫外線
曝露がなければ発症しない。紫外線の照射量が多い春から秋の時期に好発する。
d. 全身性接触皮膚炎:経皮感作成立後、経口・吸入・注射など非経皮的に同一抗原が吸収
されて症状が誘発されるため、投与の数時間後から翌日まで(24 時間以内)に皮疹が出
現することが多い。
e.接触皮膚炎症候群:経皮感作成立後、経皮的に吸収され局所の接触皮膚炎を生じ、その
後、全身に拡大していくため、早くても数時間、多くは翌日以降~数日後、場合によっ
ては 1 週間以上かけて皮疹が出現する。
f.接触蕁麻疹:これまでに感作が成立している場合は使用後すぐに皮疹が惹起される。し
かし今回、感作が成立して発症する場合は、薬剤の使用開始から 1~2 週間後に皮疹が
出現する。
(3)患者側のリスク因子
a. 皮膚のバリア機能が障害されている患者、すなわち、ドライスキン、アトピー性皮膚炎、
慢性の湿疹のある患者、滲出液のでている足白癬、発汗の多い患者、皮膚潰瘍、特に慢
性的な下腿潰瘍の患者に発症しやすい。
b. 医薬品、化粧品による接触皮膚炎の既往のある患者は、同じ成分や交叉反応性を有する
成分を含む製品により皮疹が惹起されることがある。
c. 薬疹の既往のある患者は、同じ成分や類似した成分を含む外用薬に接触皮膚炎を起こす
リスクが高い。
(4)原因として報告されている医薬品
a. 抗菌外用薬
接触皮膚炎を起こすことが報告されている抗菌薬の外用薬をアミノグリコシド系と非ア
ミノグリコシド系に分けたものを表 1 に示す。アミノグリコシド系抗菌薬は比較的接触感
作原性の高い医薬品で、フラジオマイシンはその中で高率に感作を起こすことが知られて
いる 2)~4)。フラジオマイシンにかぶれた患者は基本構造骨格のデオキシストレプタミンを
共有するゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシンなど、その他のアミノグリコシド系
抗菌薬と交叉反応することが報告されている。そのため同じ系統の外用薬を使用した場合、
交叉反応により接触皮膚炎を起こし、同じ系統の注射薬や内服薬を使用した場合、交叉反
応により全身性接触皮膚炎としての薬疹が誘発される 4)5)。また外用部位に強い接触皮膚
炎が生じると、それに伴いしばしば同様の皮疹が全身の皮膚に撒布性・播種性に分布する
ことが特徴的な接触皮膚炎症候群が誘発される(図 3)5)6)。
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c. 光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎:同じ医薬品を使用していても、紫外線
曝露がなければ発症しない。紫外線の照射量が多い春から秋の時期に好発する。
d. 全身性接触皮膚炎:経皮感作成立後、経口・吸入・注射など非経皮的に同一抗原が吸収
されて症状が誘発されるため、投与の数時間後から翌日まで(24 時間以内)に皮疹が出
現することが多い。
e.接触皮膚炎症候群:経皮感作成立後、経皮的に吸収され局所の接触皮膚炎を生じ、その
後、全身に拡大していくため、早くても数時間、多くは翌日以降~数日後、場合によっ
ては 1 週間以上かけて皮疹が出現する。
f.接触蕁麻疹:これまでに感作が成立している場合は使用後すぐに皮疹が惹起される。し
かし今回、感作が成立して発症する場合は、薬剤の使用開始から 1~2 週間後に皮疹が
出現する。
(3)患者側のリスク因子
a. 皮膚のバリア機能が障害されている患者、すなわち、ドライスキン、アトピー性皮膚炎、
慢性の湿疹のある患者、滲出液のでている足白癬、発汗の多い患者、皮膚潰瘍、特に慢
性的な下腿潰瘍の患者に発症しやすい。
b. 医薬品、化粧品による接触皮膚炎の既往のある患者は、同じ成分や交叉反応性を有する
成分を含む製品により皮疹が惹起されることがある。
c. 薬疹の既往のある患者は、同じ成分や類似した成分を含む外用薬に接触皮膚炎を起こす
リスクが高い。
(4)原因として報告されている医薬品
a. 抗菌外用薬
接触皮膚炎を起こすことが報告されている抗菌薬の外用薬をアミノグリコシド系と非ア
ミノグリコシド系に分けたものを表 1 に示す。アミノグリコシド系抗菌薬は比較的接触感
作原性の高い医薬品で、フラジオマイシンはその中で高率に感作を起こすことが知られて
いる 2)~4)。フラジオマイシンにかぶれた患者は基本構造骨格のデオキシストレプタミンを
共有するゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシンなど、その他のアミノグリコシド系
抗菌薬と交叉反応することが報告されている。そのため同じ系統の外用薬を使用した場合、
交叉反応により接触皮膚炎を起こし、同じ系統の注射薬や内服薬を使用した場合、交叉反
応により全身性接触皮膚炎としての薬疹が誘発される 4)5)。また外用部位に強い接触皮膚
炎が生じると、それに伴いしばしば同様の皮疹が全身の皮膚に撒布性・播種性に分布する
ことが特徴的な接触皮膚炎症候群が誘発される(図 3)5)6)。
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