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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (26 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》 |
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このシリーズは、予期しない接触皮膚炎を検出することができるため、外用薬によるア
レルギー性接触皮膚炎の鑑別疾患として日用品や化粧品によるアレルギー性接触皮膚炎が
挙がる症例に貼付するとよい。また、フラジオマイシン硫酸塩によるアレルギー性接触皮
膚炎が疑われる症例に同成分が含まれる外用薬を貼付しても当該成分の含有量が低いため
偽陰性となることが多いが、前述した JBS を構成するパッチテストパネル®(S)(佐藤製
薬)に含まれるフラジオマイシン硫酸塩はアレルギー反応を誘発することができる。さら
に、同パネルには、外用薬の基剤に含有されることがあるラノリンアルコールやパラベン
ミックス、市販外用薬のきず薬・白癬治療薬・止痒剤などに局所麻酔薬の成分を含むカイ
ンミックスが含まれており、患者が持参する薬剤と共に貼付すると原因アレルゲンの特定
に役立つことがある。
パッチテスト反応には偽陽性、偽陰性があり、その結果の解釈は難しいことも多く、十
分な知識が必要である。貼付することで感作する危険性も皆無ではなく、事前に説明・同
意を得ることが大切である。薬剤の場合は交叉反応を起こす薬剤、今後外用すべき代替品
となる外用薬も同時に貼付する。判定後に原因薬剤、使用可能な薬剤を明らかにし、適切
な生活指導を行う 36)。
接触蕁麻疹を生じる即時型アレルギーの原因精査として行うプリックテストとスクラッ
チテストは、皮内テストあるいは誘発テストに比較してアナフィラキシー反応を誘発する
危険性が少なく安全であることから、最初に行うべき検査である 35)。プリックテストは前
腕屈側に抗原液を 1 滴垂らし、その上を垂直にプリックテスト専用針で軽く刺す。抗原液
は真皮に達し肥満細胞の膜状に結合している抗原特異的 IgE 抗体と反応し、ヒスタミンを
遊離して膨疹を生じる。穿刺より 15 分後に、その直径を膨疹の長径とその垂直の直径の平
均をとり、陽性コントロールの二塩酸ヒスタミン 1%溶液(鳥居薬品)、ならびに陰性コン
トロールの生理食塩水の膨疹径と比較して、スコアを付ける。ヒスタミンと同等の膨疹は
3+、これを越えると 4+、ヒスタミンの 2 分の 1 を 2+、それ以下で生理食塩水より大きな反
応を 1+とし、2+以上を陽性と判定する。判定には主に膨疹を用いるが膨疹が誘発されず、
紅斑のみが誘発される場合もある。そのような際は紅斑径により評価する。スクラッチテ
ストはプリックテスト専用針で横に 5mm 長の浅い傷をつけた上に抗原液を滴下する。この
場合も陽性コントロール、陰性コントロールと比較して膨疹の半径によりスコア化し判定
する。プリックテスト・スクラッチテストでは、テストの前 3 日間は抗ヒスタミン薬の使
用を中止する。プレドニゾロンは 1 日 10mg✗1 週間の内服では膨疹径に影響しないことが
確認されている。アナフィラキシーの既往のある症例においては、抗原液を通常の 1000 分
の 1 まで希釈した系列を作り、薄い濃度から順に検査をすすめる。一度に多くの強い反応
を惹起すると、全身性の即時型反応が誘発され、蕁麻疹、気分不良、呼吸困難、血圧低下
などが生じる可能性があり注意が必要である。常にエピネフリンをはじめとするアナフィ
ラキシー誘発時に対処できる準備を整えて検査を開始する。検査については十分な説明と、
文書での同意を得る。検査の結果から生活指導を行う。
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レルギー性接触皮膚炎の鑑別疾患として日用品や化粧品によるアレルギー性接触皮膚炎が
挙がる症例に貼付するとよい。また、フラジオマイシン硫酸塩によるアレルギー性接触皮
膚炎が疑われる症例に同成分が含まれる外用薬を貼付しても当該成分の含有量が低いため
偽陰性となることが多いが、前述した JBS を構成するパッチテストパネル®(S)(佐藤製
薬)に含まれるフラジオマイシン硫酸塩はアレルギー反応を誘発することができる。さら
に、同パネルには、外用薬の基剤に含有されることがあるラノリンアルコールやパラベン
ミックス、市販外用薬のきず薬・白癬治療薬・止痒剤などに局所麻酔薬の成分を含むカイ
ンミックスが含まれており、患者が持参する薬剤と共に貼付すると原因アレルゲンの特定
に役立つことがある。
パッチテスト反応には偽陽性、偽陰性があり、その結果の解釈は難しいことも多く、十
分な知識が必要である。貼付することで感作する危険性も皆無ではなく、事前に説明・同
意を得ることが大切である。薬剤の場合は交叉反応を起こす薬剤、今後外用すべき代替品
となる外用薬も同時に貼付する。判定後に原因薬剤、使用可能な薬剤を明らかにし、適切
な生活指導を行う 36)。
接触蕁麻疹を生じる即時型アレルギーの原因精査として行うプリックテストとスクラッ
チテストは、皮内テストあるいは誘発テストに比較してアナフィラキシー反応を誘発する
危険性が少なく安全であることから、最初に行うべき検査である 35)。プリックテストは前
腕屈側に抗原液を 1 滴垂らし、その上を垂直にプリックテスト専用針で軽く刺す。抗原液
は真皮に達し肥満細胞の膜状に結合している抗原特異的 IgE 抗体と反応し、ヒスタミンを
遊離して膨疹を生じる。穿刺より 15 分後に、その直径を膨疹の長径とその垂直の直径の平
均をとり、陽性コントロールの二塩酸ヒスタミン 1%溶液(鳥居薬品)、ならびに陰性コン
トロールの生理食塩水の膨疹径と比較して、スコアを付ける。ヒスタミンと同等の膨疹は
3+、これを越えると 4+、ヒスタミンの 2 分の 1 を 2+、それ以下で生理食塩水より大きな反
応を 1+とし、2+以上を陽性と判定する。判定には主に膨疹を用いるが膨疹が誘発されず、
紅斑のみが誘発される場合もある。そのような際は紅斑径により評価する。スクラッチテ
ストはプリックテスト専用針で横に 5mm 長の浅い傷をつけた上に抗原液を滴下する。この
場合も陽性コントロール、陰性コントロールと比較して膨疹の半径によりスコア化し判定
する。プリックテスト・スクラッチテストでは、テストの前 3 日間は抗ヒスタミン薬の使
用を中止する。プレドニゾロンは 1 日 10mg✗1 週間の内服では膨疹径に影響しないことが
確認されている。アナフィラキシーの既往のある症例においては、抗原液を通常の 1000 分
の 1 まで希釈した系列を作り、薄い濃度から順に検査をすすめる。一度に多くの強い反応
を惹起すると、全身性の即時型反応が誘発され、蕁麻疹、気分不良、呼吸困難、血圧低下
などが生じる可能性があり注意が必要である。常にエピネフリンをはじめとするアナフィ
ラキシー誘発時に対処できる準備を整えて検査を開始する。検査については十分な説明と、
文書での同意を得る。検査の結果から生活指導を行う。
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