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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》 |
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の呼吸器症状や腹痛・嘔吐といった消化器症状などを引き起こし、ついにはアナフィラキ
シーショックへと至る場合もある。この病態を接触蕁麻疹症候群と呼ぶ。手湿疹合併者に
多いことから皮膚のバリア機能の低下がアレルゲンの侵入を容易にし、侵入した物質が抗
原となり蕁麻疹が生じると考えられる 46)。未定型は前者二つとも区別しにくい反応を起こ
すもので、局所症状だけではなく全身症状を引き起こすこともあり、アレルギー型の反応
に似るが、抗体をはっきりと検出できない。
(8) 副作用の発現頻度
副作用の発生頻度は、おのおのの薬剤で異なる。アレルギー性接触皮膚炎、光アレルギ
ー性接触皮膚炎の頻度をパッチテストの陽性率でみると、1999 年の調査では、抗菌薬であ
る硫酸フラジオマイシンは 8.75%、硫酸ゲンタマイシンは 9.12%47)、2000 年の調査では、
抗炎症外用薬のケトプロフェンは 1.74%、チアプロフェン酸は 4.17%、スプロフェンは
1.74%48)、ブフェキサマク軟膏は 1.9%、ブフェキサマククリームは 2.9%、ブフェキサマ
クは 1.9%、イブプロフェンピコノール軟膏は 2.9%、イブプロフェンピコノールクリーム
は 3.5%、イブプロフェンピコノールは 2.5%、ウフェナマート軟膏は 1.0%、ウフェナマー
トクリームは 1.0%、ウフェナマートは 0.6%48)であった。また 1997 年の調査では、ブデ
ソニド軟膏(販売中止)は 1.6%、ブデソニドクリーム(販売中止)は 2.0%、アムシノニ
ド軟膏は 0.4%、アムシノニドクリームは 0.2%、ヒドロコルチゾン酢酸エステル軟膏 0.4%、
ヒドロコルチゾン酢酸エステルクリーム 0.8%の陽性率であった 48)。
医薬品によるアレルギー性接触皮膚炎は抗菌薬や NSAIDs の外用薬によるものの頻度が
高い 5)。ステロイド外用薬によるものも稀に見られる。これらの外用薬が湿疹や潰瘍病変
に使用された場合、症状の悪化・難治化といった形をとるが、接触皮膚炎と分かりにくい
ことがある 49)50)。また複数の外用薬による接触皮膚炎の場合、主薬である薬剤の交叉反応
によるだけでなく、含有されている基剤・防腐剤などが原因のこともあり、注意が必要で
ある。
また、市販薬(OTC)では、複数の抗菌薬、消炎鎮痛薬、鎮痒薬、消毒薬などを含有して
いるものも多く、原因究明のため、詳細な問診(薬剤の使用歴)が必要である 13)。
医薬品による接触皮膚炎は、同系の内服薬や注射薬が広く使用されているため、これら
薬剤との交叉反応を含めて全身性接触膚炎としての薬疹がしばしば誘発される。
28
シーショックへと至る場合もある。この病態を接触蕁麻疹症候群と呼ぶ。手湿疹合併者に
多いことから皮膚のバリア機能の低下がアレルゲンの侵入を容易にし、侵入した物質が抗
原となり蕁麻疹が生じると考えられる 46)。未定型は前者二つとも区別しにくい反応を起こ
すもので、局所症状だけではなく全身症状を引き起こすこともあり、アレルギー型の反応
に似るが、抗体をはっきりと検出できない。
(8) 副作用の発現頻度
副作用の発生頻度は、おのおのの薬剤で異なる。アレルギー性接触皮膚炎、光アレルギ
ー性接触皮膚炎の頻度をパッチテストの陽性率でみると、1999 年の調査では、抗菌薬であ
る硫酸フラジオマイシンは 8.75%、硫酸ゲンタマイシンは 9.12%47)、2000 年の調査では、
抗炎症外用薬のケトプロフェンは 1.74%、チアプロフェン酸は 4.17%、スプロフェンは
1.74%48)、ブフェキサマク軟膏は 1.9%、ブフェキサマククリームは 2.9%、ブフェキサマ
クは 1.9%、イブプロフェンピコノール軟膏は 2.9%、イブプロフェンピコノールクリーム
は 3.5%、イブプロフェンピコノールは 2.5%、ウフェナマート軟膏は 1.0%、ウフェナマー
トクリームは 1.0%、ウフェナマートは 0.6%48)であった。また 1997 年の調査では、ブデ
ソニド軟膏(販売中止)は 1.6%、ブデソニドクリーム(販売中止)は 2.0%、アムシノニ
ド軟膏は 0.4%、アムシノニドクリームは 0.2%、ヒドロコルチゾン酢酸エステル軟膏 0.4%、
ヒドロコルチゾン酢酸エステルクリーム 0.8%の陽性率であった 48)。
医薬品によるアレルギー性接触皮膚炎は抗菌薬や NSAIDs の外用薬によるものの頻度が
高い 5)。ステロイド外用薬によるものも稀に見られる。これらの外用薬が湿疹や潰瘍病変
に使用された場合、症状の悪化・難治化といった形をとるが、接触皮膚炎と分かりにくい
ことがある 49)50)。また複数の外用薬による接触皮膚炎の場合、主薬である薬剤の交叉反応
によるだけでなく、含有されている基剤・防腐剤などが原因のこともあり、注意が必要で
ある。
また、市販薬(OTC)では、複数の抗菌薬、消炎鎮痛薬、鎮痒薬、消毒薬などを含有して
いるものも多く、原因究明のため、詳細な問診(薬剤の使用歴)が必要である 13)。
医薬品による接触皮膚炎は、同系の内服薬や注射薬が広く使用されているため、これら
薬剤との交叉反応を含めて全身性接触膚炎としての薬疹がしばしば誘発される。
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