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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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※特に頻度の高いとされるものを太字で記した。

ケトプロフェンは更に、同系の NSAIDs だけでなく化学構造式の類似する高脂血症治療薬
のフェノフィブラートとの間で交叉反応を起こすことにも留意する必要がある。またピロ
キシカム軟膏(フェルデンⓇ、バキソⓇ)も光接触皮膚炎を起こし易いことで知られ、光接
触過敏症が誘導されると、その内服薬や同系の内服薬であるアンピロキシカム(フルカム

)による光線過敏型薬疹が誘発される。
一方、同じオキシカム系 NSAIDs のピロキシカム(カプセル・坐剤;フェルデンⓇ、バキ
ソⓇ、パルパシンⓇ、ピアテックⓇ、ピロカルミンⓇなど)やアンピロキシカム(カプセル;
フルカムⓇ)による光線過敏型薬疹はしばしば感作誘導のための潜伏期間なしに誘導される。
これは消毒剤のチメロサール接触過敏症との交叉反応により誘導されることが判明してい
る。しかし、同じオキシカム系テノキシカムによる光線過敏型薬疹は、恐らく光照射によ
り光ハプテン又はプロハプテンから生成誘導される反応性物質の化学構造の違いから消毒
剤のチメロサール接触過敏症との交叉反応により誘導されないと推定されている。
また、市販の消炎鎮痛薬の外用薬には、局所麻酔薬が配合されていることが多い。以前
からエステル型の局所麻酔薬による接触皮膚炎が報告されているが、最近は、アミド型局
所麻酔薬やアセトアニリド誘導体局所麻酔薬によるアレルギー性接触皮膚炎の報告が増え
ている。局所麻酔薬の場合、同系統の薬剤間では高頻度に交叉反応が認められるが、他系
統の薬剤との間の交叉反応は少ない 13)。
鎮痒薬として OTC の消炎鎮痛外用薬に配合されているジフェンヒドラミン塩酸塩(レス
タミンⓇコーワ)、クロタミトン(オイラックスⓇ)、L-メントールのアレルギー性接触皮膚
炎も頻度は高くないがしばしば生じるので留意する必要がある。消炎鎮痛外用薬は、配合
されている局所麻酔薬や鎮痒薬を含めて外用部位に強いアレルギー性接触皮膚炎を起こす
ことが多いため、前述した接触皮膚炎症候群が誘発される頻度も高い。接触皮膚炎症候群
が誘発された場合は、ステロイド外用薬だけで炎症を抑制することが困難であり、ステロ
イド内服薬が必要になることが多い。
d. ステロイド外用薬
ステロイド外用薬の接触皮膚炎は、紅斑、浮腫、痒みなどを伴う重度の皮疹を生じるも
のから、難治性の湿疹として気づかれず皮疹が繰り返されている軽症のものまで、さまざ
まな症状が誘発される。まず、当該外用薬の使用を中止し、治療には、当該ステロイド外
用薬と交叉反応しないステロイド薬をパッチテストで確認し、それらを使用することが勧
められる。
接触皮膚炎を起こすと報告されているステロイド外用薬を Coopman らの考えにしたがっ
て立体構造式をもとに A から D まで 4 つのグループに分類し、参考までに商品名も併せて
記述したものを表 4 に示す 14)。同じグループ内では交叉感作を起こし易い。グループ間で
も特に B と D の間では交叉反応が知られている。またステロイド外用薬のパッチテスト反
応は、貼付したステロイド自体による抗炎症効果により通常の炎症が抑えられ、反応が減
弱ないし遅発性に生じるため 72 時間判定だけでなく、96 時間後から 1 週間後までの判定
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