１０．PPE の再利⽤
医療現場においてN95マスクを始めPPEの不⾜は深刻な状況では、厚⽣労働省新型コロナウイルス感染症
対策推進本部からN95マスク等を含めたPPEの例外的取扱いについて以下の通知が出されています。
「N95 マスクの例外的取扱いについて」https://www.mhlw.go.jp/content/000621007.pdf
「サージカルマスク、⻑袖ガウン、ゴーグル及びフェイスシールドの例外的取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/content/000622132.pdf
1) N95マスク

複数の患者を診察する場合でも継続して使⽤し、名前を記載し、交換は1⽇1回とすることや、滅菌器活
⽤等による再利⽤に努めることが提案されています。また、新型コロナウイルスはマスク上でも72 時
間しか⽣存できないと考えられるため、1⼈に5枚のN95 マスクを配布し、5 ⽇間のサイクルで毎⽇取り
替える再利⽤法も⽶国CDCより提案されていました。しかし現在は緊急時対応から変更となり、再利⽤
が停⽌されています。
サージカルマスクの表⾯でも7⽇間感染⼒が認められたという報告がありますので、５⽇間経過しても
表⾯にはウイルスが付着している可能性も考えられます。
なお、再処理や再利⽤を⾏うにしても限度があり、明らかな損傷や汚染、ゴムの劣化などが⽣じた場合
は廃棄する必要があります。また、エタノールによる消毒はフィルター機能を劣化させるという指摘も
あります。N95 マスクの再利⽤によって⼗分にその性能を担保できない可能性があります。
N95 マスクの⼊⼿が平時に近い状況になっている施設は再利⽤の中⽌も検討します。海外では N95
マスクが⼊⼿できないといった危機的な状況から脱したため、滅菌器を利⽤した N95 マスクの再利⽤
を不許可にするなど対応が⾏われています。
2) その他の PPE

再利⽤できる個⼈防護具（ゴーグルなど）は、使⽤後に消毒⽤アルコールや次亜塩素酸ナトリウムで消
毒します。⼀部の消毒薬や熱⽔消毒に適さないものもあるので、メーカーの推奨に従います。
⻑袖ガウンは状況に応じてエプロンの使⽤に切り換えたり、カッパの代替が提案されています。また、
ゴーグルやフェイスシールドの代わりに⽬を覆うことができるものでも代替は可能です。
⾮滅菌使い捨て⼿袋が危機的に不⾜している場合には、①使⽤期間が切れた⾮滅菌⼿袋の使⽤を考慮す
る、②⾮滅菌⼿袋を使⽤する作業に優先順位をつける、③病原体に触れない作業では医療⽤以外の⾮滅
菌⼿袋の使⽤を考慮します。また、④コホーティングされた患者間では同⼀の⼿袋使⽤も検討します。
参考⽂献
1.

Strategies for Optimizing the Supply of N95 Respirators https://www.cdc.gov/coronavirus/2019ncov/hcp/respirators-strategy/index.html

2.

N95 マスクの例外的取扱いについて」https://www.mhlw.go.jp/content/000621007.pdf「サージカ
ルマスク、⻑袖ガウン、ゴーグル及びフェイスシールドの例外的取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/000622132.pdf

3.

⼀般社団法⼈職業感染制御研究会. 医療従事者のための使い捨て⾮滅菌⼿袋の使⽤の⼿引き（初版）
http://jrgoicp.umin.ac.jp/ppewg/im/ppeguide_glove_v1.pdf

4.

医 療 環 境 で 使 ⽤ す る 『 ⾮ 滅 菌 使 い 捨 て ⼿ 袋 （ 以 下 ⼿ 袋 ）』 に 関 す る Q&A 集
http://jrgoicp.umin.ac.jp/ppewg/im/ppeguide_glove_faq1.pdf
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