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資料 3 - 2 疾病名及び疾病の対象範囲の変更について研究班から情報提供のあった疾病の診断基準等案 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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<DYT10 ジストニア、反復発作性運動誘発性ジスキネジア 1(Episodic kinesigenic dyskinesia type1:EKD1)>
1. 病因遺伝子と概要
急激な随意運動に伴って発作性のジストニアを生じ、転倒する。10~30 秒で5分を越えない発作を1日に数
十回~数日に1回繰り返す。予期しない随意運動で誘発されやすく、時に驚愕も誘因になる。日本では運動
静止・脱力発作で転倒しないことも多い。
(1) 遺伝様式:常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(遺伝子座 16p11、病因遺伝子 PRRT2、遺伝子産物
PRRT2:proline-rich transmembrane protein 2、MIM #128200)
(2) 発症年齢:小児期~青年期
(3) 頻度:1/15 万人。発作性ジストニアの中で最も頻度が高い。
2. 臨床症状
発作性運動誘発性コレオアテトーシス(Paroxysmal kinesigenic choreoathetosis:PKC)は繰り返し起こる短
時間の不随意運動である。類似病態がいくつかの名称で呼ばれる。反復発作性運動誘発性ジスキネジア
(Episodic kinesigenic dyskinesia:EKD)、良性家族性乳児痙攣(benign familial infantile convulsion:BFIC)、
乳児痙攣・発作性コレオアテトーシス(infantile convulsion and paroxysmal choreoathetosis:ICCA)で、
EKD1、BFIC2、ICCA は対立遺伝子障害である。これらの疾患と DYT10 と症状との重複が見られることもあ
る。
急激な随意運動の開始の際のみに生じる不随意運動で発作は 10 秒程度と短いが、転倒する。準備運動に
よって頓挫が可能で、意識障害はない。下肢に始まり上行し体幹、上肢に及ぶ。発作は一側の上下肢に生
じることが多いが、両側のことも体幹や顔面を含むこともある。発作時に痙攣や意識障害を伴わないが、感
覚性の前兆がある。発作間歇期には原則として神経学的異常を認めない。発作はほぼ毎日おこり数回で、
知能は正常、発作間歇期には運動感覚神経共に正常である。わが国では不完全脱力発作が多い。
3. 特記すべき検査所見
特になし。脳画像(CT、MRI)や脳波を含めて異常がないが、まれに小脳の軽度の萎縮が報告されている。
4. 遺伝子診断

PRRT2 遺伝子に病的変異を認める。
5. 鑑別診断
ウィルソン Wilson 病、脊髄小脳変性症、パーキンソン Parkinson 病、パーキンソン症候群、家族性痙性対麻
痺、ハンチントン Huntington 病、神経有棘赤血球症、GM2 ガングリオシドーシス、GM1 ガングリオシドーシ
ス、ニーマン・ピック Niemann-Pick 病、レット Rett 症候群、脳血管障害、抗精神薬投与に伴う遅発性ジスト
ニア。発作性ジストニアをきたす疾患。

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