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資料 3 - 2 疾病名及び疾病の対象範囲の変更について研究班から情報提供のあった疾病の診断基準等案 (40 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》 |
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<乳児神経軸索ジストロフィー(Infantile neuroaxonal dystrophy:INAD)、NBIA2、別名 PLA2G6 変異に伴う神経
変性症:calcium -independent phospholipase A2 group VI (PLA2G6) associated neurodegeneration: PLAN、国
際運動障害学会の表記では NBIA/DYT/PARK-PLA2G6>
1. 病因遺伝子と概要
脂質代謝関連酵素由来の脳内鉄沈着神経変性症で、病理学的に中枢神経系と末梢神経型にスフェロイド
がみられ、進行性に精神運動退行を示す。生前診断が可能。症例数が少ないため全経過は明確ではない
が NBIA2A で平均 9.4 年、NBIA2B で約 20 年とされる。
(1)遺伝様式:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)(遺伝子座 22q13.1、原因遺伝子 PLA2G6(phospholipase
A2、group VI)が INAD の 79%の症例で同定された。ミスセンス変異が大半を占める。MIM ID
#256600、#610217、#603604)
(2)発症年齢:古典型:乳児期~幼児期(平均1歳歳)、非典型:小児期(平均 4.4 歳歳)
(3)頻度:1/1,000,000
2. 臨床症状
進行性の精神症状、低緊張、深部腱反射亢進、四肢麻痺を示す。
(1)古典型:NBIA2A
精神運動退行と体幹の低緊張、深部腱反射亢進、進行性の四肢麻痺を生後6か月から3年の間に示
す。多くの症例では次第に痙性四肢麻痺となるが、1/3 の症例では反射消失性の脱力のままである。
全例でジストニア、痙縮、球症状、小脳症状を認める。発症後5年くらいまで歩行可能であることが多
い。約半数で失調性のあるいは他の要因による歩行障害を示し、視神経症状(視神経萎縮、斜視、眼
振など)を認める。1/3 の症例ではてんかん発作を認める。平均死亡年齢は 9.4 歳である。
(2)非典型:NBIA2B
発症時期は古典型より遅いが多くは 10 歳前に発症。主症状は不安定歩行、失調性歩行障害である。
言語発達は遅れ、社会的な意思疎通はできない。視神経萎縮、眼振、痙攣発作は古典型と同様であ
るが、体幹の低緊張は見られない。
(3)Karak 症候群
臨床像として早期発症小脳失調、ジストニア、痙縮、知能低下があり、MRI で小脳萎縮、淡蒼球と黒質
に鉄沈着を認める症候群として報告されたが、PLA2G6 遺伝子変異(複合ヘテロ接合体)が同定され、
脳内鉄沈着神経変性症の一つとされている。
3. 検査所見
(1)電気生理学的検査:脱神経所見、神経伝導速度低下は 1/3 に認める。脳波検査で速波を認める。
(2)MRI 画像検査:95%の症例で小脳萎縮、50%の症例で淡蒼球、黒質に鉄の沈着を認める。小脳のグリ
オーシスに対応して T2 強調画像で小脳の高輝度を認める。また、脳梁、大脳白質で異常を認める頻
度が高い。非典型:NBIA2B の MRI 像では小脳萎縮は 83%の症例に留まり、淡蒼球や黒質の鉄沈着
が目立つ。
(3)末梢神経生検:PLA2G6遺伝子変異陽性症例の 87%で、末梢神経生検組織において軸索スフェロイド
を認める。
4. 遺伝子診断
PLA2G6 の病的変異を認める。
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変性症:calcium -independent phospholipase A2 group VI (PLA2G6) associated neurodegeneration: PLAN、国
際運動障害学会の表記では NBIA/DYT/PARK-PLA2G6>
1. 病因遺伝子と概要
脂質代謝関連酵素由来の脳内鉄沈着神経変性症で、病理学的に中枢神経系と末梢神経型にスフェロイド
がみられ、進行性に精神運動退行を示す。生前診断が可能。症例数が少ないため全経過は明確ではない
が NBIA2A で平均 9.4 年、NBIA2B で約 20 年とされる。
(1)遺伝様式:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)(遺伝子座 22q13.1、原因遺伝子 PLA2G6(phospholipase
A2、group VI)が INAD の 79%の症例で同定された。ミスセンス変異が大半を占める。MIM ID
#256600、#610217、#603604)
(2)発症年齢:古典型:乳児期~幼児期(平均1歳歳)、非典型:小児期(平均 4.4 歳歳)
(3)頻度:1/1,000,000
2. 臨床症状
進行性の精神症状、低緊張、深部腱反射亢進、四肢麻痺を示す。
(1)古典型:NBIA2A
精神運動退行と体幹の低緊張、深部腱反射亢進、進行性の四肢麻痺を生後6か月から3年の間に示
す。多くの症例では次第に痙性四肢麻痺となるが、1/3 の症例では反射消失性の脱力のままである。
全例でジストニア、痙縮、球症状、小脳症状を認める。発症後5年くらいまで歩行可能であることが多
い。約半数で失調性のあるいは他の要因による歩行障害を示し、視神経症状(視神経萎縮、斜視、眼
振など)を認める。1/3 の症例ではてんかん発作を認める。平均死亡年齢は 9.4 歳である。
(2)非典型:NBIA2B
発症時期は古典型より遅いが多くは 10 歳前に発症。主症状は不安定歩行、失調性歩行障害である。
言語発達は遅れ、社会的な意思疎通はできない。視神経萎縮、眼振、痙攣発作は古典型と同様であ
るが、体幹の低緊張は見られない。
(3)Karak 症候群
臨床像として早期発症小脳失調、ジストニア、痙縮、知能低下があり、MRI で小脳萎縮、淡蒼球と黒質
に鉄沈着を認める症候群として報告されたが、PLA2G6 遺伝子変異(複合ヘテロ接合体)が同定され、
脳内鉄沈着神経変性症の一つとされている。
3. 検査所見
(1)電気生理学的検査:脱神経所見、神経伝導速度低下は 1/3 に認める。脳波検査で速波を認める。
(2)MRI 画像検査:95%の症例で小脳萎縮、50%の症例で淡蒼球、黒質に鉄の沈着を認める。小脳のグリ
オーシスに対応して T2 強調画像で小脳の高輝度を認める。また、脳梁、大脳白質で異常を認める頻
度が高い。非典型:NBIA2B の MRI 像では小脳萎縮は 83%の症例に留まり、淡蒼球や黒質の鉄沈着
が目立つ。
(3)末梢神経生検:PLA2G6遺伝子変異陽性症例の 87%で、末梢神経生検組織において軸索スフェロイド
を認める。
4. 遺伝子診断
PLA2G6 の病的変異を認める。
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