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資料 3 - 2 疾病名及び疾病の対象範囲の変更について研究班から情報提供のあった疾病の診断基準等案 (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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各病型の診断基準について以下に示す。
<パントテン酸キナーゼ変異を伴う神経変性症 Pantothenate kinase-associated neurodegeneration:PKAN、別
名 NBIA 1>
1. 病因遺伝子と概要
パントテン酸キナーゼ2pantothenate kinase2:PANK2 遺伝子変異による疾患で、ジストニアを主症状とする。
脳内鉄沈着神経変性症の代表的疾患である。全経過は古典型で 15 年程度、非典型で 15~40 年とされる。
PANK2 は Coenzyme A 生合成関連疾患の律速段階に当たる酵素である。
(1)遺伝様式:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)(遺伝子座 22q13、遺伝子 PKAN2、 遺伝子産物 PKAN
(Pantothenate kinase 2)、MIM ID #234200、 *606157)。
(2)発症年齢:古典型:小児期(多くは6歳以下)、非典型:小児期~青年期(多くは 10 歳以上)
(3)頻度:1~3/1,000,000
2. 臨床症状
(1)古典型:
75%の症例は古典型とされる。歩行障害、姿勢障害、巧緻障害で発症し、錐体外路症状、発達障害が
加わる。錐体外路症状の多くはジストニアで、筋強剛や舞踏運動がそれに続く。ジストニアの初発症状
は下肢であるが、脳神経領域、四肢に見られる。口部ジストニアにより咬舌を来すこともある。錐体路症
状も通常見られる。発症早期に網膜色素変性症、視神経萎縮が 2/3 の症例で合併する。症状は進行
性で発症から 10~15 年で歩行不能となることが多い。てんかん発作はまれである。
(2)非典型:
25%を占める非典型の症例では、発話障害や精神症状が目立ち、より緩徐に進行する。発話障害とし
ては 40%の症例で反復言語か構音障害が多い。その後ジストニアをみるが、古典型よりも程度は軽症
で、15~40 年程度で歩行不能となることが多い。すくみ足の頻度も高い。約 1/3 の症例で精神症状(衝
動性障害、強迫性障害が多い)か前頭側頭葉型認知症が見られる。症例によっては運動症状が明らか
でなく、精神症状で推移する場合もある。網膜色素変性症は通常合併しない。発症年齢が高くなるにつ
れ、パーキンソニズムが目立つ傾向となり、若年性パーキンソン病として治療されている症例もみられ
る。
(3)その他:
中間表現型と呼ばれる 10 歳代以前に発症するが進行が遅い型、10 歳代に発症し進行が速く 20 歳代
に歩行不能となる例などがある。その他 Tourette 症候群、純粋アキネジア、運動ニューロン疾患類似
の病態を呈する症例、若年発症のパーキンソニズムを示す症例などが報告されている。
HARP 症候群(hypoprebetalipoproteinemia、acanthocytosis、retinitis pigmentosa、pallidal
degeneration、OMIM 607236)も遺伝子変異が PANK2 に見られたことから PKAN に包含された。
3. 検査所見
(1)脳 MRI 画像: eye-of-the tiger sign を認める。これは 1.5 テスラ以上の MRI の T2 強調画像で、強い低
輝度を示す淡蒼球内の内側領域に高輝度を認めることを指す。特異度の高い所見で有り、MRI 所見か
ら PKAN の診断に至る例が少なくないが、偽陽性例、陰性例もあることに留意する必要がある。画像で
偽陽性例を来す疾患としては後述する NBIA3、 NBIA4、CO 中毒等が報告されている。
(2)網膜電図:網膜障害パターンを示す。

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