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資料 3 - 2 疾病名及び疾病の対象範囲の変更について研究班から情報提供のあった疾病の診断基準等案 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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<DYT11 ジストニア、ミオクローヌス・ジストニア症候群(Myoclonus dystonia syndrome:MDS)>
1. 病因遺伝子と概要
ミオクローヌスとジストニアを主体とする。軽症では本態性ミオクローヌスとなる。ミオクローヌスは頸部、上
肢に多い。ジストニアは、捻転ジストニア、頸部ジストニア、書痙などである。アルコールで改善する。精神
症状を伴うことが多い。アルコール反応性ミオクローヌスは本症を示唆する。イプシロン・サルコグリカンの
変異部位、変異形式は多様で、検出はやや困難である。
(1) 遺伝様式:常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(遺伝子座 7q21、遺伝子 SGCE、遺伝子産物 SGCE、MIM
#159900)不完全浸透、父-息子での遺伝子の伝達で発症頻度が高い。maternal imprinting とされる。父親
由来の SGCE のみが発現する
(2) 発症年齢:小児期~青年期 (典型的には 20 歳までに発症する。)
(3) 頻度:不明
2. 臨床症状
臨床症状はミオクローヌスとジストニアが主要症状である。軽症では本態性ミオクローヌスとなる。ミオクロー
ヌスが主症状で動作を阻害する。上肢と体幹筋に多く、大半はアルコールで改善する。静止時に生じ動作で
増強する。ジストニアは通常、軽度にとどまり頸部ジストニア(痙性斜頸)、上肢ジストニア(書痙)となる。とき
にジストニア単独、一過性ジストニアとなることもある。精神障害多発(強迫性障害(OCD)、パニック発作な
ど)、アルコール依存となる家系もある。てんかんと脳波異常(発作性、非発作性)の報告もあり、てんかんは
DYT11 を否定する根拠にはならないとされた。
3. 特記すべき検査所見
特になし。
4. 遺伝子診断

SGCE 遺伝子の病的変異を認める。
5. 鑑別診断
ウィルソン Wilson 病、脊髄小脳変性症、パーキンソン Parkinson 病、パーキンソン症候群、家族性痙性対麻
痺、ハンチントン Huntington 病、神経有棘赤血球症、GM2 ガングリオシドーシス、GM1 ガングリオシドーシ
ス、ニーマン・ピック Niemann-Pick 病、レット Rett 症候群、脳血管障害、抗精神薬投与に伴う遅発性ジスト
ニア。他の遺伝性ジストニア。

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