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介護保険最新情報vol.1140(福祉用具貸与等における利用手続きの円滑化の更なる推進について(通知)) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index_00010.html
出典情報 福祉用具貸与等における利用手続きの円滑化の更なる推進について(3/31付 通知)《厚生労働省》
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問4.文書の成立の真正が裁判上争われた場合において、文書に
押印がありさえすれば、民訴法第 228 条第4項が適用され、証
明の負担は軽減されることになるのか。


押印のある文書について、相手方がその成立の真正を争った場合
は、通常、その押印が本人の意思に基づいて行われたという事実
を証明することになる。
・ そして、成立の真正に争いのある文書について、印影と作成名義
人の印章が一致することが立証されれば、その印影は作成名義人
の意思に基づき押印されたことが推定され、更に、民訴法第 228
条第4項によりその印影に係る私文書は作成名義人の意思に基
づき作成されたことが推定されるとする判例(最判昭 39・5・12
民集 18 巻4号 597 頁)がある。これを「二段の推定」と呼ぶ。
・ この二段の推定により証明の負担が軽減される程度は、次に述べ
るとおり、限定的である。
① 推定である以上、印章の盗用や冒用などにより他人がその印
章を利用した可能性があるなどの反証が相手方からなされた
場合には、その推定は破られ得る。
② 印影と作成名義人の印章が一致することの立証は、実印であ
る場合には印鑑証明書を得ることにより一定程度容易である
が、いわゆる認印の場合には事実上困難が生じ得ると考えら
れる(問5参照)。
・ なお、次に述べる点は、文書の成立の真正が証明された後の話で
あり、形式的証拠力の話ではないが、契約書を始めとする法律行
為が記載された文書については、文書の成立の真正が認められれ
ば、その文書に記載された法律行為の存在や内容(例えば契約の
成立や内容)は認められやすい。他方、請求書、納品書、検収書
等の法律行為が記載されていない文書については、文書の成立の
真正が認められても、その文書が示す事実の基礎となる法律行為
の存在や内容(例えば、請求書記載の請求額の基礎となった売買
契約の成立や内容)については、その文書から直接に認められる
わけではない。このように、仮に文書に押印があることにより文
書の成立の真正についての証明の負担が軽減されたとしても、そ
のことの裁判上の意義は、文書の性質や立証命題との関係によっ
ても異なり得ることに留意する必要がある。

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