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資料2_中間とりまとめ(案) (18 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00586.html
出典情報 今後の医学教育の在り方に関する検討会(第5回 9/11)《文部科学省》
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し、また、一般社団法人日本医学教育評価機構等における第三者評価等を通じてそ
の質も網羅的に保証されており、全大学において継続的に優秀な医師を輩出し続け
ていることは、国内外において評価されていると言える。しかし、教育に携わる教員
への評価などは必ずしも十分でなく、大学病院に勤務する医師の自己犠牲に頼って
しまっている現状に鑑み、教育に関しても適切に評価されるような仕組みを作って
いくことも重要である。
○ 本検討会では、医学生から若手研究者まで幅広い年代の医師にヒアリングを行った。
大学病院を若手医師のより集まる職場とするためには、大学院博士課程の魅力の向
上などとともに、まずは過酷な勤務環境の改善が必要であることは自明である。ま
た、留学等の機会を通じて自身の能力やスキルを研鑽することができる環境づくり
に加えて、我が国の大学病院が教育・研究・診療面において世界的にも高く評価され
るなど、大学病院で勤務する医師が誇りの持てる職場としていくことが必要である。
○ なお、諸外国にない日本の大学病院の機能として、医師派遣機能が挙げられる。これ
は、同じ専門性をもつ医師たちが、大学病院だけでなく、地域の様々な特色のある医
療機関を交代で異動しつつ、研鑽を積むことができるものであり、大学病院は、国公
私立の設置形態の別によらず、地域の医療機関へ多数の医師の派遣を行っているこ
とから、医師に対する研鑽の機会の創出のみならず、地域医療に対しても大きく貢
献している。
○ 本検討会での議論でも明らかとなっているが、
「未来の医療」だけでなく、
「現在の医
療」も支えることとなった大学病院が疲弊していることは明白である。様々な大学
病院に関する政策は、大学病院における診療や臨床研究の活性化を促したという意
見がある一方で、教育・研究に多大な影響を与えたとの意見が多数である。国は、大
学病院当事者や有識者の意見を聞きながら、時宜に応じた政策を立案し、実行して
いかなければならない。
○ 大学病院が、今後も優れた医師を輩出し続けるとともに、臨床研究のみならず基礎
研究においても優れた研究成果を生み出していくためにまず国が行うべきことは、
原点に立ち返り、大学病院に勤務する医師が教育・研究に十分なエフォートを割く
ようにすることができる体制の確保である。
○ 本検討会での議論をきっかけとして、文部科学省は主に大学病院の運営や教育・研
究の観点から、厚生労働省は主に診療の観点から、双方が国民の視点に基づいて、
「現在の医療」のみならず「未来の医療」を構築し、さらに地域の医療を守るため、
大学病院に対する継続的な支援を適切に行うことが必要不可欠である。一方、大学
病院においては、社会から負託された医育機関であることを自覚し、常に透明性を

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