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資料2_中間とりまとめ(案) (5 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00586.html
出典情報 今後の医学教育の在り方に関する検討会(第5回 9/11)《文部科学省》
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○ こうした状況が継続する場合、大学病院は医師の研究を含めたキャリア形成を支え
ることが困難となり、医学教育・研究の場としての魅力が低下し、若手医師が集まら
なくなることが懸念されている。
(3) 医師の時間外・休日労働の上限規制の適用
○ そのような中、医業に従事する医師については、2024(令和6)年度から、働き方改
革による時間外・休日労働の上限規制が適用され、また、上限を年間 1,860 時間ま
で可能とする地域医療確保暫定特例水準(B水準・連携B水準)9が、2035(令和 17)
年度末を目標に解消される見通しである。
○ 大学病院に勤務する医師は、教育・研究・診療を担い、他の医療機関に勤務する医師
と比べて労働時間が長い10中、各大学病院は、今般の働き方改革を契機に、これまで
医師が自己犠牲により長時間労働することによってその機能を維持してきた状況を
変革し、適正な労働環境を整える必要がある。
○ このため、各大学病院では、2024(令和6)年度に向けて労働時間管理の徹底ととも
に、効率化を含む業務の見直しや設備及びインフラ環境の整備など、働き方改革に
向けた取組を進めているが、2035(令和 17)年度末を目標とする地域医療確保暫定
特例水準の解消に向けては、更に約 1,000 万時間11に及ぶ医師の労働時間を削減しな
ければならない12ことが見込まれるため、これまでの大学病院の教育・研究・診療機
能の維持がますます困難になることが懸念される。
○ 文部科学省が 2022(令和4)年度に行った全 81 大学病院を対象とする調査によれ
ば、多くの大学病院が、時間外・休日労働の上限規制が教育・研究に与える影響につ
いて、①授業の準備(84%)、②学生への個別指導(81.5%)、③臨床実習の指導
(88.9%)
、④研究(90.1%)の時間が確保できなくなると回答しており、各大学病
院においては、特に働き方改革が教育・研究に与える影響に対する懸念がある。

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救急医療や医師派遣等により地域の医療提供体制を確保するために必要な役割を担う医療機関
を対象とするもの。
10 厚生労働省が令和元年度に実施した医師の勤務実態調査によれば、年間 960 時間を超えて時間
外労働を行っている医師の割合は、病院全体が 37.8%であるのに対し、大学病院は 47.1%とな
っている。
11 文部科学省が 2022(令和4)年度に行った調査に回答のあった医師 981 人について、年間 960
時間を超えて行っている時間外・休日労働時間は約 207,864 時間。これを大学病院で勤務する医
師数 51,336 人に当てはめて考えるとその推定時間外・休日労働時間は 10,877,304 時間。
12 文部科学省が 2022(令和4)年度に行った調査によれば、大学病院で勤務する医師の総労働時
間(大学病院内の労働時間)は約1億 3,600 万時間。この時間に対する約 1,000 万時間の割合が
約8%であることに鑑みれば、単に約 1,000 万時間の労働時間を削減するだけでは、大学病院の
機能を約8%低下させることにつながるおそれがある。

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