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【参考資料1】H27-29研究計画書(祖父江班) (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35321.html
出典情報 医薬品等行政評価・監視委員会(第13回 9/20)《厚生労働省》
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①全国疫学調査(安全性に関する頻度調査)
HPV ワクチン接種後に生じた疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状については、副反応検討部
会において「機能性身体症状」であると整理されている。しかし、ワクチン非接種者において、同
様の症状を呈する患者がどの程度いるかについては、明確な数値として示されていない。そのため、
HPV ワクチンの取り扱いについて議論するための安全性に関する基礎データを提供とすることを目
的に平成 28 年1月から本調査を開始した。
平成 28 年 11 月 30 日時点で、一次調査対象 25,413 診療科から抽出した 18,302 診療科中 11,037
診療科から調査票を回収、二次調査対象診療科 508 診療科中 324 診療科から調査票を回収した。現
在、これらのデータをもとに、非接種者における推計患者数及び期間有訴率の算出、及び臨床疫学
特性の分析を行っており、結果は副反応検討部会において報告する予定。
本研究結果は、行政において、ワクチン接種によるリスク・ベネフィットを踏まえた議論を進め
本ワクチンの接種のあり方を判断するための、基礎的な知見を提供するという意味で非常に有意義
である。
②症例フォローアップ研究
厚生労働省において各都道府県に設置している、HPV ワクチン接種後に生じた症状の診療に係る協
力医療機関を継続して受診している患者を対象に行う調査であり、症状や経過について実態を把握
し予後に関連する因子を検討することにより、接種者への情報提供及び接種後に症状を生じた方の
治療方法確立に貢献すると考えられる。
さらに海外におけるワクチン接種後の副反応事例の登録制度とその利用方法などとも照らし合わ
せながら、ワクチン接種にともなうリスクマネジメントの方法論的展開に資する基礎資料として活
用されることが期待される。
同時に、既に副反応によると思われる症状を生じた方については、身体症状のみならず精神的負
荷の関与が示唆される心的外傷経験やそれによる疼痛感覚などがあるため、迅速かつ適切な診療体
制の整備という観点でも有意義であると考えられる。なお、平成 28 年9月に厚生労働省が実施した、
副反応疑い報告のあった症例に対する追跡調査の際に、本症例フォローアップ調査の案内を併せて
行った。それにより、現在でも医療を必要な方に対する確実なフォローアップ体制の構築につなが
ると考えられる。この案内で把握された症例の登録支援も引き続き実施していく予定。

10.当初の研究計画に照らした本研究事業の進捗状況
・当初の研究計画に照らした本研究事業の進捗状況については、本研究事業による前年度までの研究
実績が明らかになるように、当初の研究計画と比較しつつ、成果、進達度を明確に800字以内で記
入すること。
なお、研究の進捗により、発表業績等がある場合には主なものを下欄に記載すること。
①全国疫学調査(安全性に関する頻度調査)
平成28年度中に、非接種者における推計患者数及び期間有訴率の算出、及び臨床疫学特性の分析が
終了し、副反応検討部会において報告することとしている。29年度は必要に応じて、症状特性等に関
する詳細な分析を実施する予定である。
②症例フォローアップ調査
平成28年11月末時点で50人の症例が登録されており、引き続き、参加希望者がいる施設の倫理審査
等の手続きの支援及び参加希望者の円滑な登録支援をする。
また、29年度は既に登録された症例について、症例ごとに症状経過について分析を行い、慢性化の要
因及び症状の重軽に影響を及ぼすと考えられる要因についての評価、検討を行う予定である。さらに一
次調査の結果から詳細な検討が必要と考えられる症例を抽出し、臨床専門医による個別の症例検討の実
施計画を立案し、倫理委員会における承認を得た後実施する。

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