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資料6 先進医療合同会議の審議結果について【報告事項】 (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44996.html |
出典情報 | 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第168回 11/20)《厚生労働省》 |
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答4
先進医療技術名:上部消化管癌術後のアナモレリン塩酸塩経口投与
2024 年 10 月 24 日
所属・氏名:大阪大学医学部附属病院・土岐祐一郎
※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1. 対象を胃上部癌と食道癌とされていますが、食道癌は術前治療を行うこともあるうえ、胃癌に対
する手術よりも侵襲度が高い手術を受けることになると思います。
実際、研究計画書 P14 の胃切除後の術後 3 ヶ月の体重減少率は 7.1%、食道癌の術後体重変化率
は 10.7%と違いがあるようです。胃癌と食道癌を同じ臨床試験で対象とすることは妥当なのでしょう
か?
【回答】
本研究ではアナモレリンの効果が期待される対象として術後低グレリン血症を想定し、選択基準を胃
全摘、噴門側胃切除、食道亜全摘胃管再建を施行した者と定めました。これらの術式ではグレリンの中
心的な産生部位である胃穹窿部を切除する、胃のグレリン分泌を調整する迷走神経を切離する等の共
通点があり、術後低グレリン状態となることが知られています。
また、研究計画書 P14 に記載した胃切除後の体重減少に関するデータは比較的体重減少の少ない
幽門側胃切除後の症例を含めたデータとなっており、本研究で対象とする胃全摘術および噴門側胃切
除後には食道癌術後と同等の体重減少を認めます(【参考】大阪大学医学部附属病院にて手術を行っ
た症例の術後体重減少率(術直後から術後 8 年目までを含むデータ):胃全摘術後 13.0%、噴門側胃切
除後 13.9%)。
上記のことから、胃癌に対する胃全摘術後、噴門側胃切除術後、食道癌に対する食道亜全摘胃管再
建術後という術後低グレリン血症の病態を本研究の対象とすることは妥当だと考えていますが、割り付
け因子として癌種を設定するとともに、癌種によるサブグループ解析を行うことを予定しています。
なお、ご指摘を受け、研究計画書の 3.1 項に以下のように追記致します。
2)対象疾患の概念・背景
(略)
経管栄養投与や Oral Nutritional Supplements の処方等栄養介入を実施した場合にも、胃切除後の体
重減少推移は、術後 3 ヶ月において 7.1%、術後 6 か月において 8.6%、術後 1 年にて 9.3%であり(本
研究の対象となる噴門側胃切除術、胃全摘術の症例に加え、体重減少が比較的少ない幽門側胃切除後
の症例を含めたデータ)
、食道亜全摘後には、術後 1.5 ヶ月にて 8.5%、3 か月後には 10.7%、6 か月
後には 11.0%、1 年後には 10.1%の体重減少を認めると報告されている。
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先進医療技術名:上部消化管癌術後のアナモレリン塩酸塩経口投与
2024 年 10 月 24 日
所属・氏名:大阪大学医学部附属病院・土岐祐一郎
※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1. 対象を胃上部癌と食道癌とされていますが、食道癌は術前治療を行うこともあるうえ、胃癌に対
する手術よりも侵襲度が高い手術を受けることになると思います。
実際、研究計画書 P14 の胃切除後の術後 3 ヶ月の体重減少率は 7.1%、食道癌の術後体重変化率
は 10.7%と違いがあるようです。胃癌と食道癌を同じ臨床試験で対象とすることは妥当なのでしょう
か?
【回答】
本研究ではアナモレリンの効果が期待される対象として術後低グレリン血症を想定し、選択基準を胃
全摘、噴門側胃切除、食道亜全摘胃管再建を施行した者と定めました。これらの術式ではグレリンの中
心的な産生部位である胃穹窿部を切除する、胃のグレリン分泌を調整する迷走神経を切離する等の共
通点があり、術後低グレリン状態となることが知られています。
また、研究計画書 P14 に記載した胃切除後の体重減少に関するデータは比較的体重減少の少ない
幽門側胃切除後の症例を含めたデータとなっており、本研究で対象とする胃全摘術および噴門側胃切
除後には食道癌術後と同等の体重減少を認めます(【参考】大阪大学医学部附属病院にて手術を行っ
た症例の術後体重減少率(術直後から術後 8 年目までを含むデータ):胃全摘術後 13.0%、噴門側胃切
除後 13.9%)。
上記のことから、胃癌に対する胃全摘術後、噴門側胃切除術後、食道癌に対する食道亜全摘胃管再
建術後という術後低グレリン血症の病態を本研究の対象とすることは妥当だと考えていますが、割り付
け因子として癌種を設定するとともに、癌種によるサブグループ解析を行うことを予定しています。
なお、ご指摘を受け、研究計画書の 3.1 項に以下のように追記致します。
2)対象疾患の概念・背景
(略)
経管栄養投与や Oral Nutritional Supplements の処方等栄養介入を実施した場合にも、胃切除後の体
重減少推移は、術後 3 ヶ月において 7.1%、術後 6 か月において 8.6%、術後 1 年にて 9.3%であり(本
研究の対象となる噴門側胃切除術、胃全摘術の症例に加え、体重減少が比較的少ない幽門側胃切除後
の症例を含めたデータ)
、食道亜全摘後には、術後 1.5 ヶ月にて 8.5%、3 か月後には 10.7%、6 か月
後には 11.0%、1 年後には 10.1%の体重減少を認めると報告されている。
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