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参考資料2 高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html
出典情報 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》
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国立健康危機管理研究機構
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応

■国内の状況
国内の鳥類における発生状況
2023/2024 シーズンに国内で得られた全11例の HPAIV の HA 遺伝子は、Clade
2.3.4.4b に属 しており、2017/2018、2020/2021、2021/2022 および2022/20
23 シーズンと同じ系統であった(農林水産省. 2024a)。
2024/2025 シーズンは、野鳥、家きん、それぞれ、2024 年 9 月 30 日と 10 月 17 日
に国内 1 事例目が確認され、2023/2024 シーズンと比較すると 1 事例目が確認された時
期が早かった(農林水産省. 2024b、2025)。
2024/2025シーズンの国内の鳥における HPAIV 感染事例は、2025 年 2 月 5 日時点
で、野鳥では 17 道県から 112 事例(うち、H5N1 は 17 道県 109 事例)が、家きんでは 14
道県から 51 事例(うち H5N1 は 14 道県 47 事例)が報告され、約 932 万羽が殺処分対象
となった。飼養鳥においては、2025 年 2 月 5 日時点での報告はない(環境省. 2025、農林
水産省.2025)。
2024/2025シーズンの家きんにおける発生件数(2025 年2月1日時点で 14 道県 51
事例発生)は、過去最多の発生となった2022/2023 シーズン(同日時点で 25 道県 71 事
例発生)に比べ、同日比で 7 割強となった(農林水産省.2025)。
国内の哺乳類における発生状況
2022 年 4 月に北海道札幌市において、キタキツネ(アカギツネ)およびタヌキでの HPAIV
(H5N1)感染事例が国内で初めて確認された(磯田ら. 2022)。2023 年 4 月と 6 月には
同市において 2 例のキツネでの H5N1 感染(死亡個体からの検出、6 月探知例の検体採取月
は同年 2 月)が探知された。周辺地域ではハシブトカラスの HPAIV(H5N1)感染事例が続発
しており、キタキツネおよびタヌキに感染していた HPAIV(H5N1)は、ハシブトガラスから検
出されたウイルスと遺伝的に類似していた(Hiono T. et al.. 2023)。キタキツネについて
は、HPAIV(H5N1)に感染した野鳥を捕食して HPAIV(H5N1)に感染した事が死因と考え
られた。タヌキについては、他の病原体による感染も認められ、HPAIV(H5N1)感染が直接
の死因か不明であった(磯田ら. 2022)。また、2023/2024 シーズンにおける HPAI の発
生に係る疫学調査では、11 事例中 4 事例で家きん舎内の環境材料を用いた検査において検
体から HPAIV が検出されている。このうち、広島県の発生事例では、発生鶏舎の隣の鶏舎で
死亡していたクマネズミから HPAIV が検出されており、これは対応する発生農場の家きん由
来 HPAIV(H5N1)と同一遺伝子型で、対応する農場由来ウイルスとの間で 99 パーセントを
超える極めて高い一致率を示した(農林水産省. 2024b)。
2025 年 2 月 5 日現在、今シーズンは哺乳類において HPAIV は確認されていない。
国内のヒトにおける発生状況
国内ではこれまでに HPAIV(H5N1)を含め、鳥インフルエンザウイルスに感染して発症した
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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