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参考資料2 高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》 |
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国立健康危機管理研究機構
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応
また、FDA と米国農務局 (U.S. Department of Agriculture: USDA)は、2024 年
の米国におけるヤギ、乳牛の HPAIV 感染例の発生および未殺菌乳(生乳)からの HPAIV 検
出を受けて、国内で流通している牛乳の安全性には影響がないとの声明を発表している
(USDA. 2024c)ほか、CDC も一般市民が HPAIV(H5N1)に感染するリスクは依然として
低い、としている (CDC. 2024c)。
国立感染症研究所におけるリスクアセスメントと推奨
【海外渡航者が感染するリスク】
•
海外でのヒト感染例の多くは感染した家きん類等との接触による散発的な感染であり、
効率的なヒトーヒト感染を示唆する情報はないことから、鳥類への曝露機会がない海外渡
航者が感染する可能性は低い。
•
海外渡航者は、家きん市場や生きた鳥類、鳥類や哺乳類の死骸に不用意に近づかないよ
うに注意すべきである。
•
発生地域において鳥類との接触があり、渡航後に発熱を認めるなどの体調の変化があっ
た場合には、医療機関の受診時に渡航歴および鳥類との接触歴を伝えることの啓発が必
要である。
【国内で鳥類、哺乳類への接触者が感染するリスク】
•
これまで国内で明らかなヒト感染例の報告はなく、ヒトへの感染性が高くなったという証
拠は無いことから、鳥類への曝露機会がない人々への感染リスクは低い。一方、国内でも
鳥類での HPAIV(H5N1)検出事例が継続して報告されていることから、生きた鳥類や鳥
類の死骸に不用意に近づかないように注意すべきである。
•
同様に哺乳類からヒトが感染するリスクも低いものの、国外で哺乳類の感染例の報告が増
加していること、国内でも限定的ながら哺乳類での検出事例の報告があることから、哺乳
類の死骸にも不用意に近づかないように注意すべきである。
【HPAIV(H5N1)がヒトへの感染性を獲得するリスク】
•
HPAIV(H5N1)について、哺乳類への適応やヒトへの感染性が高くなるウイルス学的性
質の獲得に関する証拠は限定的であり、疫学的にも効率的なヒトーヒト感染の証拠はない。
ただし、動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くな
ったウイルスが今後出現する可能性は否定できないことから、引き続き動物での発生動向
を監視する必要がある。
【HPAIV(H5N1)がヒトでパンデミックを引き起こすリスク】
•
HPAIV(H5N1)は効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得しておらず、現時点では
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応
また、FDA と米国農務局 (U.S. Department of Agriculture: USDA)は、2024 年
の米国におけるヤギ、乳牛の HPAIV 感染例の発生および未殺菌乳(生乳)からの HPAIV 検
出を受けて、国内で流通している牛乳の安全性には影響がないとの声明を発表している
(USDA. 2024c)ほか、CDC も一般市民が HPAIV(H5N1)に感染するリスクは依然として
低い、としている (CDC. 2024c)。
国立感染症研究所におけるリスクアセスメントと推奨
【海外渡航者が感染するリスク】
•
海外でのヒト感染例の多くは感染した家きん類等との接触による散発的な感染であり、
効率的なヒトーヒト感染を示唆する情報はないことから、鳥類への曝露機会がない海外渡
航者が感染する可能性は低い。
•
海外渡航者は、家きん市場や生きた鳥類、鳥類や哺乳類の死骸に不用意に近づかないよ
うに注意すべきである。
•
発生地域において鳥類との接触があり、渡航後に発熱を認めるなどの体調の変化があっ
た場合には、医療機関の受診時に渡航歴および鳥類との接触歴を伝えることの啓発が必
要である。
【国内で鳥類、哺乳類への接触者が感染するリスク】
•
これまで国内で明らかなヒト感染例の報告はなく、ヒトへの感染性が高くなったという証
拠は無いことから、鳥類への曝露機会がない人々への感染リスクは低い。一方、国内でも
鳥類での HPAIV(H5N1)検出事例が継続して報告されていることから、生きた鳥類や鳥
類の死骸に不用意に近づかないように注意すべきである。
•
同様に哺乳類からヒトが感染するリスクも低いものの、国外で哺乳類の感染例の報告が増
加していること、国内でも限定的ながら哺乳類での検出事例の報告があることから、哺乳
類の死骸にも不用意に近づかないように注意すべきである。
【HPAIV(H5N1)がヒトへの感染性を獲得するリスク】
•
HPAIV(H5N1)について、哺乳類への適応やヒトへの感染性が高くなるウイルス学的性
質の獲得に関する証拠は限定的であり、疫学的にも効率的なヒトーヒト感染の証拠はない。
ただし、動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くな
ったウイルスが今後出現する可能性は否定できないことから、引き続き動物での発生動向
を監視する必要がある。
【HPAIV(H5N1)がヒトでパンデミックを引き起こすリスク】
•
HPAIV(H5N1)は効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得しておらず、現時点では
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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