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参考資料2 高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html
出典情報 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》
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国立健康危機管理研究機構
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応

国外のヒトにおける発生状況
WHO に報告されたヒトにおける HPAIV(H5N1)感染事例は、2003 年から 2025 年 1
月 28 日時点で合計 966 例あり、少なくとも 466 例(48%)が死亡している。このうち、
2017 年までの報告が 860 例(うち死亡 454 例(53%))と多くを占め、2018 年以降の報
告数は大きく減少していたが、2024 年には報告数が増加した。HPAIV(H5N1)はヒト症例
が報告されている鳥インフルエンザの中でも報告された症例数が多く、また致命率が高いウイ
ルスである(表 1)(WHO. 2024a、ECDC. 2024d、ECDC. 2025a、ECDC. 2025b)。
ヒト感染例は、2020 年 1 月から 2025年 1 月 28 日までに 12 ヵ国から106例が報告さ
れた(表 2)。ほとんどの症例に、病気または病気の疑いがある動物や、死亡した家きんとの接
触があった。このうち、ベトナム、カンボジア、オーストラリア以外の 9 ヵ国から報告された
HPAIV(H5N1)症例のうち、Clade が確認できた症例はすべて 2.3.4.4b であった。
鳥類および哺乳類における HPAIV(H5N1)感染事例の報告数が増加した 2021/2022
お よ び 2022/2023 シ ー ズ ン に も 、 ヒ ト 感 染 例 の 著 明 な 増 加 は 確 認 さ れ な か っ た 。
2023/2024 シーズンおよび 2024/2025シーズン(2023 年 9 月以降から 2025年2
月時点)におけるヒト感染例は、ベトナム、中国、カンボジア、オーストラリア、米国、カナダ、英
国から報告があったが、米国からの報告が最多であった。また、国外で報告されたヒト感染例
の多くは感染した家きんや乳牛との接触歴があり、ヒト-ヒト感染を示唆する情報は確認され
ていない(CDC. 2024a、CDC. 2025、 WHO. 2025)。
2024 年以降に HPAIV(H5N1)のヒト感染例が報告された国のうち、カンボジア、米国、
オーストラリア、カナダ、英国での発生状況や事例の詳細について以下に示す。
カンボジアでは 2014 年から長期間、鳥類からの Clade 2.3.2.1c の検出が続いている
が、2015 年から 2022 年まではヒト感染例は確認されていなかった。しかし、2023 年以
降、17 例のヒト感染例が報告されており、情報のない症例を除き、検出された HPAIV
(H5N1)の Clade はすべて 2.3.2.1c であった。
米国においては、2024 年4月に乳牛に関連した症例が報告されて以降、2025年 1 月 28
日までに10州67例の HPAIV(H5)に感染したヒト症例が報告されている。感染源としては、
23例は HPAIV(H5N1)に感染した家きんとの接触、40例は感染乳牛との接触、1例はその
他動物との接触、3例は不明であった。多くの症例は軽症で、結膜炎や軽度な上気道症状を呈
していた (CDC. 2024g)。2024 年 6 月から 8 月に、ミシガン州とコロラド州の感染牛が
確認された酪農場の従業員を対象とした血清学的調査によると、115 人中 8 人(7%)で
HPAIV(H5)に対する抗体を有していることが確認された(CDC. 2024h)。2024年12月
には、ルイジアナ州において、高齢で基礎疾患があった患者で国内初の死亡例が報告された。
患者は、米国で実施されている入院患者におけるインフルエンザサーベイランスにて探知され
た。遺伝子型は D1.1 であり、米国内の野鳥や家きん、ならびにワシントン州およびカナダのヒ
ト症例で検出されたウイルスと近縁であった。(CDC. 2024j)。
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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