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参考資料2 高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html
出典情報 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》
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国立健康危機管理研究機構
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応

視強化、死亡野鳥等を対象にしたウイルス保有状況調査を強化している。
2024/2025 シーズンは 2024 年 10 月 18 日に開催された第 91 回家きん疾病小委員
会において、全国各地で環境中ウイルスが増加し、発生リスクが高まっていることから、基本的
な飼養衛生管理の徹底等を含む今後の防疫対応の徹底について、取りまとめを行った。さら
に 2024 年 11 月 21 日には鳥インフルエンザ防疫対策緊急全国会議を開催し、今後の対策
強化の4つのポイント ①飼養衛生管理の「隙」を埋める対策、②再発対策(既発農場・地域への
指導強化)、③大規模農場対策、④発生時の速やかな防疫措置、について発信した。2024 年
12 月末までの発生件数は 2024 年 10 月 17 日の発生に始まり計 16 件にとどまっていた
ものの、2025 年1月には愛知県、千葉県および岩手県の特に養鶏密集地域における続発が
相次ぎ、1月2日から2月1日までの約1か月間で 35 件の発生が確認された。これは1か月間
に確認された発生数としては過去最大の規模となった。このような発生状況を踏まえて、
2025 年 1 月20日には第2回の緊急全国会議を開催し、改めて危機感を共有するとともに、
愛知県の事例においてまん延防止対策としての効果が示唆された鶏舎の入気・塵埃対策とし
ての不織布シートや液状消毒薬の活用についても情報発信した。また、当該3県については、
農林水産省の現地対策本部を設置し、県と一体となったまん延防止対策を推進した。
また、米国の乳牛における HPAIV(H5N1)感染例が確認されたことをうけ、農林水産省は
2024 年 4 月 3 日に都道府県や畜産関係団体に対し、米国の事例の共有および国内飼養牛
において乳量の減少や食欲低下等がみられた際の対応、HPAI 等の野鳥からの感染防止を図
るための飼養衛生管理の徹底について、通知を発出した (農林水産省.2024c)。

各国・各機関におけるリスクアセスメント
2020 年以降の Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5N1)によるヒト感染事例と鳥類および
哺乳類の感染事例の報告が増加したことにより、 WHO、欧州疾病予防対策センター(ECDC)、
CDC、英国健康管理庁(UKHSA)は、以下の通りリスクアセスメントを発出している(表 3)。
一方、Clade 2.3.2.1c の HPAIV(H5N1)は 2020 年以降についてはアジアで限局的に循
環しており、世界的な感染拡大はみられていない。
CDC は動物で循環している A 型インフルエンザに対するパンデミックポテンシャルのリスク
評価を行い、パンデミックに備えるべきウイルスの優先順位を決定するために Influenza
Risk Assessment Tool (IRAT)を提唱している。本ツールには、ヒトーヒト感染持続の可
能 性 (emergence) と ヒト ー ヒト 感 染 が 持 続 し た際 の 公 衆 衛 生 への イ ンパク ト (public
health impact)という 2 つの評価分野があり、それぞれについてリスク評価が行われる(国
立感染症研究所. 2015)。H5N1 ウイルスは主要な Clade、株ごとに評価されており、
Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5N1) は、 中 レ ベ ルの リ ス ク に分 類 され てい る ( CDC.
2024a)。
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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