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参考資料2 高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html
出典情報 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》
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国立健康危機管理研究機構
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応

ヒト感染事例は確認されていない。
2.

治療薬、ワクチン、検査について

抗インフルエンザ薬、特にノイラミニダーゼ(NA)阻害薬やポリメラーゼ阻害薬に対する耐
性を獲得している HPAIV(H5N1)の流行は認められていないため、これらの薬剤による治療
効果は期待できる。
近年、ヒトおよび哺乳動物で感染が確認されている Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5)ウ
イルスについては、WHO より以下が使用可能なワクチン候補株としてリストされている
(WHO 2025a, WHO 2025b)。A/Astrakhan/3212/2020(IDCDC-RG71A およ
び CBER-RG8A, H5N8) A/American wigeon/South Carolina/22-000345 001/2021(IDCDC-RG78, H5N1)、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID002, H5N1)、A/Jiangsu/NJ210/2023(CNIC-JSNJ210, H5N1)。また近年、ヒト
感染が確認された Clade 2.3.2.1c の H5 ウイルスについては、
A/duck/Vietnam/NCVD-1584/2012(NIBRG-301, H5N1)が使用可能なワクチン
候補株として上記リストに掲載されている。
HPAIV(H5N1)を含む A 型インフルエンザウイルスの検出に関しては、呼吸器検体を用い
たコンベンショナル RT-PCR もしくはリアルタイム RT-PCR 法によるウイルス遺伝子検出検
査の実施が推奨されている。検査に使用する検体は鼻腔スワブ(鼻の奥)、口腔咽頭スワブ
(喉)、鼻咽頭スワブ(鼻咽頭)に加え、鼻咽頭吸引液や気管支吸引液などが有用とされている
(WHO. 2021)。
ウイルス学的所見
Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5N1)は、2020 年後半に欧州北部で同定された後、渡り
鳥により世界各地へと運ばれ、様々な国・地域で遺伝子再集合(他の A 型インフルエンザウイル
ス と の 遺 伝 子 分 節 の 交 換 ) し た多 様 な遺 伝 子 型 の HPAIV(H5N1) が 分 離 さ れ て い る
(Leguia M. et al.. 2023、Alkie TN. et al.. 2023)。ただし、遺伝子型の違いによるウ
イルス性状の違いはよく分かっていない。
鳥類から分離された Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5N1)からは、哺乳類での病原性や増
殖能力の獲得に寄与する PB2 タンパク質の E627K 変異を持つウイルスや、HA タンパク質
の受容体結合部位にヒト型受容体(α2,6 結合したシアル酸)への結合能力の増強の可能性が
示唆されるアミノ酸変異を持つウイルス(例えば、S137A, T160A など)等がまれに報告され
ている(ECDC. 2024d)。
2022 年 10 月にスペインのミンク農場のミンクから分離された Clade 2.3.4.4b の
HPAIV(H5N1)には、哺乳類由来細胞内でのポリメラーゼ活性の上昇に関与する PB2 タン
パク質の T271A 変異が認められた(Agüero M. et al. 2023)。また、2022 年 4 月から
7 月にかけてカナダの野生のアカギツネ、スカンク、ミンクから分離された Clade 2.3.4.4b
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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