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参考資料2 高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html
出典情報 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》
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国立健康危機管理研究機構
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応

国外の哺乳類における発生状況
哺乳類における HPAIV(H5N1)感染事例は、2003 年から確認されるようになり、主に、
鳥類におけるアウトブレイク発生地で、野鳥を捕食することがある哺乳類を中心に発生してい
た(Plaza PI. et al.. 2024、CDC. 2023)。
ヒト以外の哺乳類における H5N1 感染事例の発生国は、2003 年から 2019 年までの 17
年間では 10 ヵ国に留まっていたが、2020 年から 2023 年 10 月までの約 4 年間で 26 ヵ
国(欧州 17 ヵ国、南米 5 ヵ国、北米 2 ヵ国、アジア 2 ヵ国)と急増した(Plaza PI. et al..
2024)。さらに、2023 年 12 月には、南極地域においてもゾウアザラシの HPAIV 感染が
確認されており、哺乳類における HPAIV 感染事例の発生地域は拡がっている(ECDC.
2024a、OFFLU. 2023)。
H5N1 感染が確認された哺乳類は 2020 年から 2023 年 10 月までに 48 種以上と、多
様な哺乳類における感染が確認されるようになった。2019 年以前は陸生動物、半水生動物
の感染が報告されていたが、2020 年以降は水生動物(アザラシ、アシカ等)の感染も確認さ
れるようになった(Plaza PI. et al.. 2024)。
哺乳類における H5N1 感染事例は、野生動物に限らず飼育動物でも発生している。2022
年 10 月にはスペインの大規模なミンク農場における複数のミンクの感染事例が報告された
(Agüero M. et al.. 2023)。また、2023 年にはフィンランドの複数の毛皮農場(ミンク、
キツネ、タヌキ)における大規模感染等が報告された。このうちの多くは 2023 年 9 月から開
始された後ろ向きの血清学的調査により探知された事例であり、死亡個体や有症個体が検出
された農場は一部であった。このため、無症状で探知されていない事例があると考えられてい
る(ECDC. 2024c)。
飼い猫(ポーランド、韓国、米国)、飼い犬(イタリア)における感染事例も報告されている
(CDC. 2023)。中でも、2023 年 6 月から 7 月にかけて、ポーランド国内複数地域から 25
匹の飼い猫のH5N1 感染が確認された事例では、屋外での感染鳥類との接触だけでなく、エ
サとして与えられていた鶏肉も感染源の一つとして推察された(Domańska-Blicharz K.
et al.. 2023)。また、2023年7月に発生した、韓国の2カ所の猫保護施設における数十匹
の猫の H5N1 感染事例では、市販のペットフードが感染源と考えられた(Kim. Y. et al..
2023)。また、2024 年 12 月には、米国オレゴン州およびネバダ州において、 2025 年 2
月には、オレゴン州において、市販のペットフード、ならびに当該ペットフードを食べた猫から、
H5N1(12 月のオレゴン州)もしくは H5 鳥インフルエンザ(ネバダ州および 2 月のオレゴン
州)が検出されたことが報告された(County of Los Angeles、 Oregon Department
of Agriculture)。
哺乳類における感染事例の多くは、単数もしくは少数個体の事例であるが、2022/2023
シーズンには、アザラシ、アシカ等で数十頭から数百頭規模の大規模感染事例が報告され、哺
乳類間での伝播が起きている可能性が示唆された(ECDC. 2024a、Puryear W. et al..
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023-2024
©Japan Institute for Health Security, Tokyo, Japan, 2025
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