本薬は、仏国で、ART における卵巣刺激に係る効能・効果で承認されており、海外臨床
試験の成績等から、本薬を投与したときの有効性及び安全性が示唆されている（7.（1）及
び（2）参照）
。また、国内外のガイドライン及び教科書では、ART における COS に用いる
薬剤の選択肢の一つとして本薬が推奨されている（5.（3）及び（4）参照）。さらに、本邦
の医療現場において、本薬は ART における COS に広く使用されている実態がある（6.（2）
参照）
。
本薬の投与時には、主として OHSS の発現に注意を要するが、その発現については、既
承認の適応での使用において既に注意喚起がなされていることに加え、国内外のガイドラ
イン等において、リスクの回避方法等が記載されており、それぞれ本邦の医療現場におい
て定着していると判断できる。OHSS 以外の有害事象についても、多くが既承認の効能・効
果で既に注意喚起がなされている。したがって、不妊治療に十分な知識と経験のある医師
のもとで使用されるのであれば、ART における COS に本薬を使用した際に発現する上記
の事象は臨床的に大きな問題とならない程度に管理可能と考える（7.（2）参照）
。
以上より、検討会議は、本薬を ART における COS に使用した際の有効性及び安全性は
医学薬学上公知と判断する。

８．効能・効果及び用法・用量等の記載の妥当性について
（１）効能・効果について
効能・効果及び効能・効果に関連する注意は、以下のようにすることが適当と検討会議
は考える。その妥当性について以下に記す。
【効能・効果】
（今回の要望に関連する部分のみ抜粋）
生殖補助医療における調節卵巣刺激
【効能・効果に関連する注意】
本薬の投与の適否は、患者及びパートナーの検査を十分に行った上で判断すること。原
発性卵巣不全が認められる場合や妊娠不能な性器奇形又は妊娠に不適切な子宮筋腫の合
併等の妊娠に不適当な場合には本薬を投与しないこと。また、甲状腺機能低下、副腎機
能低下、高プロラクチン血症及び下垂体又は視床下部腫瘍等が認められた場合、当該疾
患の治療を優先すること。
【設定の妥当性について】
海外臨床試験成績、国内外の教科書及び診療ガイドラインの記載内容等を踏まえると、
IVF や ICSI 等の ART を行うための本薬を用いた COS により複数の卵胞を発育させること
の有効性及び安全性は医学薬学上公知と判断できることから（7.（3）参照）
、上述のような
効能・効果を設定することが妥当と判断する。

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