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別紙1 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html
出典情報 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》
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先進医療会議事前評価構成員からの指摘事項に対する回答1
先進医療技術名: ラメルテオンを用いたせん妄発症抑制療法
令和4年 2 月 23 日
所属・氏名: 国立がん研究センター中央病院
精神腫瘍科
松岡 弘道

以下の点について検討し,必要に応じて関連書類についても修正してください.
1.手術術式や手術アプローチ(開腹手術、開胸手術、腹腔鏡手術、胸腔鏡手術など)に
よって手術侵襲は大きく異なるのではないでしょうか。また、術式により、経口投与ある
いは経鼻胃管から投与された薬剤の吸収動態が変化する可能性があるのではないでし
ょうか。
【回答】
手術侵襲は、手術術式や手術アプローチ以外にも麻酔方法、輸血等の様々な術中因子
の影響を受け、せん妄の発症割合へ影響しますが、その影響度は一定せず、既知のリスク
因子を定式化し、介入群と対照群のリスクを一定化する方法はありません。手術術式の違い
によるせん妄発症割合への影響として、心血管手術の場合に、他の手術部位よりもリスクが
高まる可能性が複数の文献で指摘されております(Chaiwat, 2019, BMC Anesthesiology,
Bilotta, 2013, BMC Anesthesiology)が、本研究ではがん切除手術のみを対象としております
(心臓の悪性腫瘍は外科切除の対象となりません)。
また、心疾患手術を含まない、がん患者の術式と術後せん妄リスクを検討したメタアナリシ
ス(Zhu, 2017, Jpn J Clin Oncol)では、もっとも影響が大きい因子として手術時間が挙げられ
ています。手術時間は他の術中因子(失血量・輸液量・輸血・切除部位・創部再建・リンパ節
郭清・オピオイド使用)や術後因子(創感染)よりもきわめて高い術後せん妄のオッズ比を示
しています(OR: 54.7(22.81-86.6))。手術時間 6 時間以上の高侵襲がん切除手術を予定する
患者(Shah, 2012, Arch Otolaryngol Head Neck Surg)を対象として、国立がん研究センター中
央病院にて先行研究(Wada, 2019, World J Surg)を行ったところ、手術部位(頭頚部・食道・肝
胆膵)によりせん妄の発症割合に違いはありませんでした。
以上より、手術時間はせん妄発症への影響が大きく、また事前に概ね予測可能で麻酔時
間や手術侵襲などを一定程度反映していると考え層別因子とし、その他出血量・輸血の有
無など事前に規定できない因子は層別因子には含めませんでした。術中因子でせん妄の発
症に影響する可能性がある、麻酔方法や出血量・輸血の有無や、ご指摘頂いた術式につい
ては解析時に評価し、研究結果の一般化可能性を検討いたします。

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