よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


別紙1 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html
出典情報 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

薬剤の吸収動態ですが、本試験の主要な対象と同じ 75 歳以上の胃切除を対象とした先行
研究(Honda, 2020, Surg Today)において、ラメルテオンのせん妄発症抑制効果について有
効性と安全性が示されており、ラメルテオンの吸収動態が術式によって大きく影響されること
はないと想定しています。またラメルテオンのインタビューフォーム P65 より、簡易懸濁により
経鼻胃管から投与することを想定した場合に、容易に崩壊し経管通過性が良好であり、懸濁
液は 4 時間経過後も含量などに問題となる変化がないことが確認されており、経口投与と経
鼻胃管投与の投与経路の違いは薬物動態に大きな影響を及ぼすことはないと考えられます。
2.海外において、せん妄の発症抑制に対する承認がされていない理由は何でしょうか。

【回答】
ラメルテオンは、日本とアメリカで不眠症に対し薬事承認されておりますが、製薬企
業によるせん妄の発生抑制に対する効能追加のための治験は行われておらず、現時点
では国内外で承認されておりません。
3.術前の投与期間の設定根拠を示してください。また、本試験で術前の投与期間に幅を
持たせることの妥当性を示してください。

【回答】
ラメルテオンを用いた予防介入は、7 日間の内服期間を設定した試験で効果が期待でき
ることが示されている(Hatta, 2014, JAMA Psychiatry, Hatta, 2019, J Clin Psychiatry)一方で、
内服期間が術前 1 日の試験では有効性が示されておりません(Jaiswal, 2019, Crit Care Med,
Oh, 2020, Am J Geriatr Psychiatry)。最適な内服期間は不明なものの、術前に 1 週間程度
の内服は必要と考えられること、また、研究事務局を置き患者登録を中心的に行う国立がん
研究センター中央病院では、手術日が手術の 5-9 日前に確定するため、症例集積の実施可
能性も考慮し、術前のラメルテオンの内服期間は手術 4-8 日間に設定致しました。
4.せん妄が改善あるいは消失するまで、投薬を継続する必要があるのではないでしょう
か。また、せん妄が改善あるいは消失するまで、観察を続ける必要があるのではないで
しょうか。
【回答】
本試験はラメルテオンのせん妄発症予防効果を検証する目的で、「75 歳以上の、DSM-5
を用いて精神腫瘍医により診断される手術後 5 日間のせん妄の出現割合」を主要評価項目
としております。このため、DSM-5 によるせん妄陽性が判断された場合はプロトコール治療
中止(研究計画書 P31, 11.1)に規定し試験薬(ラメルテオンまたはプラセボ)の投薬を中止し、
患者の状態に合わせて発症したせん妄に対する治療を行います。また観察はせん妄が改善
あるいは消失するまで続けますが、国立がん研究センター中央病院における先行研究(術

14