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資料2-2 MID-NET・NDBの行政利活用の調査実施状況について[1.4MB] (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36611.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第2回 11/30)《厚生労働省》 |
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基底細胞がん及び有棘細胞がんに関連する傷病名(疑い病名も含む)の付与日又は
その 30 日後までの期間に、外科的切除術除、凍結療法、放射線療法、薬物療法の
うち少なくとも一つの処置が実施されていること。
調査結果
の概略
患者背景
各対象医薬品における患者数及び背景情報を表 1(別添)に示す。いずれの医薬品にお
いても中年層以上の割合が共通して高く、年齢及び性別の分布に明らかな差は認められ
なかった。また、非黒色腫皮膚がんの発現に影響を与える可能性がある患者背景因子の
分布についても、医薬品間で明らかな差は認めなかった。
発現状況の集計
各対象医薬品の追跡期間、非黒色腫皮膚がんの発現数、発現割合及び発現率を表 2
に示す。HCTZ 含有製剤において、他の対象医薬品と比較して、非黒色腫皮膚がん
の発現率が明らかに高い傾向は認めなかった。
非黒色腫皮膚がんの発現を認めた集団において、初回の対象医薬品の処方日から
アウトカム発現日までの期間(日数)の中央値は、チアジド系利尿薬で最も短く
(1,279 日)、Ca 拮抗薬で最も長かった(1,605 日)。
表 2.
各対象医薬品の非黒色腫皮膚がんの発現状況
処方患者数
HCTZ 含有製剤
2,950,642
チアジド系利尿薬
3,068,867
チアジド系類似薬
1,350,079
ACE 阻害薬
4,664,008
ARB
22,952,153
Ca 拮抗薬
28,091,326
β 遮断薬
8,270,649
追跡期間(日数)
(中央値 (IQR))
2,748
(1,527-3,431)
1,881
(820-3,027)
2,072
(962-3,135)
2,188
(923-3,456)
2,558
(1,248-3,479)
2,599
(1,219-3,492)
2,126
(939-3,348)
発現数
発現割合
13,357
(0.45%)
12,601
(0.41%)
5,651
(0.42%)
19,958
(0.43%)
95,876
(0.42%)
124,682
(0.44%)
33,641
(0.41%)
発現率(/10 万人年)
(95%信頼区間)
68.79
(67.62 - 69.96)
79.33
(77.95 - 80.72)
76.23
(74.25 - 78.22)
75.18
(74.13 - 76.22)
66.79
(66.37 - 67.21)
70.63
(70.23 - 71.02)
72.59
(71.82 - 73.37)
結果を踏まえた考察
非黒色腫皮膚がんの発現が懸念された HCTZ 含有製剤において、他の降圧剤と比
較して非黒色腫皮膚がんの発現率が明らかに高い傾向は認められなかった。対象医
薬品間で患者背景の明らかな差は認められず、確定病名に限定したアウトカム定義
を用いた解析においても同様であった。
本調査は悉皆性が高い NDB を用いているものの、下記の点等から、結果の評価に
おいて一定の限界があることに留意が必要である。
非黒色腫皮膚がんの発現に影響する可能性がある因子や交絡因子等を含めて、
患者背景因子の調整はできていない。
複数の対象医薬品が処方された患者に対し、それぞれの医薬品で追跡期間、発
現率を算出している。高血圧治療薬については、他の医薬品との併用処方や切
り替えが想定されるため、特定の医薬品における非黒色腫皮膚がんのリスクが
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その 30 日後までの期間に、外科的切除術除、凍結療法、放射線療法、薬物療法の
うち少なくとも一つの処置が実施されていること。
調査結果
の概略
患者背景
各対象医薬品における患者数及び背景情報を表 1(別添)に示す。いずれの医薬品にお
いても中年層以上の割合が共通して高く、年齢及び性別の分布に明らかな差は認められ
なかった。また、非黒色腫皮膚がんの発現に影響を与える可能性がある患者背景因子の
分布についても、医薬品間で明らかな差は認めなかった。
発現状況の集計
各対象医薬品の追跡期間、非黒色腫皮膚がんの発現数、発現割合及び発現率を表 2
に示す。HCTZ 含有製剤において、他の対象医薬品と比較して、非黒色腫皮膚がん
の発現率が明らかに高い傾向は認めなかった。
非黒色腫皮膚がんの発現を認めた集団において、初回の対象医薬品の処方日から
アウトカム発現日までの期間(日数)の中央値は、チアジド系利尿薬で最も短く
(1,279 日)、Ca 拮抗薬で最も長かった(1,605 日)。
表 2.
各対象医薬品の非黒色腫皮膚がんの発現状況
処方患者数
HCTZ 含有製剤
2,950,642
チアジド系利尿薬
3,068,867
チアジド系類似薬
1,350,079
ACE 阻害薬
4,664,008
ARB
22,952,153
Ca 拮抗薬
28,091,326
β 遮断薬
8,270,649
追跡期間(日数)
(中央値 (IQR))
2,748
(1,527-3,431)
1,881
(820-3,027)
2,072
(962-3,135)
2,188
(923-3,456)
2,558
(1,248-3,479)
2,599
(1,219-3,492)
2,126
(939-3,348)
発現数
発現割合
13,357
(0.45%)
12,601
(0.41%)
5,651
(0.42%)
19,958
(0.43%)
95,876
(0.42%)
124,682
(0.44%)
33,641
(0.41%)
発現率(/10 万人年)
(95%信頼区間)
68.79
(67.62 - 69.96)
79.33
(77.95 - 80.72)
76.23
(74.25 - 78.22)
75.18
(74.13 - 76.22)
66.79
(66.37 - 67.21)
70.63
(70.23 - 71.02)
72.59
(71.82 - 73.37)
結果を踏まえた考察
非黒色腫皮膚がんの発現が懸念された HCTZ 含有製剤において、他の降圧剤と比
較して非黒色腫皮膚がんの発現率が明らかに高い傾向は認められなかった。対象医
薬品間で患者背景の明らかな差は認められず、確定病名に限定したアウトカム定義
を用いた解析においても同様であった。
本調査は悉皆性が高い NDB を用いているものの、下記の点等から、結果の評価に
おいて一定の限界があることに留意が必要である。
非黒色腫皮膚がんの発現に影響する可能性がある因子や交絡因子等を含めて、
患者背景因子の調整はできていない。
複数の対象医薬品が処方された患者に対し、それぞれの医薬品で追跡期間、発
現率を算出している。高血圧治療薬については、他の医薬品との併用処方や切
り替えが想定されるため、特定の医薬品における非黒色腫皮膚がんのリスクが
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