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資料3_全ゲノム解析等に係るAMED研究班からの報告 (46 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38751.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会(第20回 3/18)《厚生労働省》
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WGSが有効であった症例3
精神運動発達遅滞
未診断症例

(4歳、女児)

遺伝性を疑うも臨床上鑑別可能な疾病がない

症状: 精神運動発達遅滞、てんかん、脳萎縮、脳波
異常、有意語無

明確に疾患鑑別できる特徴を持つ情報がない

全ゲノム解析の実施
全エクソーム解析を実施するも同定に至らず
候補バリアントの同定に至らず。
HPO(症状情報)から候補としたMECP2 遺伝子下流に
50塩基の挿入の可能性が示唆されたが、サンガー法では
再現性がなく、CNV解析を行っても実体の確認も全く取れず
(マイクロアレイ解析の保険診療の適応無し)

Xq28
X染色体

MECP2 遺伝





約10kb

発端者

全ゲノム解析を実施
SNV解析では先解析と同様、同定できず
CNV解析を実施し、X染色体(Xq28)の領域に
ヘテロ接合性に、約10kbの微小な欠失(deletion)
コピー数多型(CNV; copy number variation)を認めた





既報告の
欠失の
領域情報

本症例

出生時、胎児心拍低下、緊急帝王切開。生後6カ月で運動発達遅
滞。生後9か月よりミオクロニー発作、その後二次性全般化発作
に変容、頭部MRIで脳容量低下と皮質境界不鮮明と指摘。現在
に至るまで寝返りまでしかできていない。

46

Xq28微小欠失症候群の病的バリアントを同定
診断がつくこと自体が本人家族の安堵につながり
精神面も含めた患者支援となる
特異的治療がまだなくとも、今後の人生で起こりうる
様々な疾患関連イベントにむけて準備ができる

提供:大阪大・朝野仁裕先生