２．本日の論点：【１】オミクロン株の新型コロナワクチンへの影響について

（２）その他

Long-COVIDに対する新型コロナワクチンの有効性
18歳以上の新型コロナワクチン２回接種者は、未接種者と比較して28日間以上発熱や倦怠感等の症状が続くオッズ比
が0.51と報告されている。

Antonelli. et al1（Lancet, 2022）

新型コロナウイルス感染症の重症度や期間に
おけるワクチン接種群と未接種群の比較

研究内容:英国で2020年12月８日ー2021年７月４日に２回目の新型コロ
ナワクチンを接種※１し、接種までに検査陽性歴がない18歳以上の
COVID
Symptom
Studyスマートフォンアプリ利用者からの自己申告
有効
性（入
院予防効果）②
データを使用した。２回目接種から７日以上経過後に検査陽性を報告し、
その後14日間以上連続で登録していた者を症例群、２回目接種から７日
以上経過後に検査陰性を報告し、その後14日間以上連続で登録していた
者を対照群としてマッチング※２した症例対照研究。

結果： 906名の症例群（18ー59歳455名、60歳以上451名）、906名の対
照群（18ー59歳474名、60歳以上432名）が解析された。ワクチン未接種
者に比べ、ワクチンを２回接種した群での発熱や倦怠感等のいずれかの
症状※３が28日間以上続く調整オッズ比は以下の通り報告されている。
 全体：
0.51 [95%CI:0.32ー0.82]
 18ー59歳： 0.37 [0.16ー0.88]
 60歳以上： 0.56 [0.31ー0.98]
著者らは、ワクチン接種は未接種と比較して28日間以上続く症状のオッ
ズ比の減少に相関したと報告している。
※１ 新型コロナワクチンを２回接種した症例群ではファイザー社ワクチン32.9%、アストラゼネカ社ワクチン65.7%、２回接種した対照群ではファイザー社ワクチン37.7%、アストラゼネカ社ワ
クチン59.5%。その他はモデルナ社ワクチンまたは不明。
※２ 新型コロナウイルス感染症検査日、医療従事者か否か、性別でマッチング。複数回陰性の検査結果が登録された場合は、最終の検査日を使用。
※３ 発熱、悪寒または戦慄、遷延する咳嗽、倦怠感、息切れ、嗅覚消失、嗄声、胸痛、腹痛、下痢、せん妄や昏迷、眼痛、欠食、頭痛、嘔気、めまい、咽頭痛、（普通ではない）筋肉痛、顔や口唇
の発赤腫脹、足の水疱、アレルギー性鼻炎の増悪、紅斑、皮膚の焼けるような感覚、脱毛、気分の落ち込み、集中力や記憶力の低下、鼻汁、くしゃみ、耳痛、耳鳴り、唾液腺腫脹、不整脈
1.
Antonelli M, et al. Risk factors and disease profile of post-vaccination SARS-CoV-2 infection in UK users of the COVID Symptom Study app: a prospective, community-based,
22
nested, case-control study. Lancet Infect Dis. 2022;22(1):43-55.