２．本日の論点：【２】】12-17歳の者に対する３回目接種について（２）初回シリーズの新型コロナワクチンの有効性の持続期間

12-18歳の者に対する新型コロナワクチンの有効性（重症化予防効果）
デルタ株流行期以前の研究によれば、12ー18歳におけるファイザー社ワクチン２回接種による入院予防効果は95%、
ICU入室に対する予防効果は98%、生命維持治療を要する状態に対する予防効果は99%と報告されている。
S.M. Olson. et al1（NEJM, 2022）

新型コロナウイルス感染症による入院に対する
ファイザー社ワクチンの有効性

研究内容:米国の23州31施設からなるOvercoming Covid-19 Network に
2021年７月１日－10月25日の間に入院した12ー18歳の患者が対象。参加
施設の入院記録及び電子カルテ記録を用いて、新型コロナRT-PCR検査陽性
例※１を症例群、新型コロナウイルス感染症様の症状を呈したがRT-PCR検
査陰性であった群を対照群※２とした。新型コロナウイルス感染による入院、
ICU入室、生命維持治療※３、死亡に対するファイザー社ワクチン接種の有
効性を分析したテストネガティブデザインの症例対照研究。
結果：症例群445例、対照群383例※４が解析された。ファイザー社ワクチン
２回接種後の予防効果は以下の通り。
 入院に対する予防効果：
95% [95%CI:91ー97]
 ICU入室に対する予防効果： 98% [94ー100]
 生命維持治療：
99% [93ー100]
なお、死亡は７例見られたが、すべてワクチン未接種例であった。
著者らはファイザー社ワクチン２回接種は新型コロナウイルス感染症に伴
う入院、ICU入室、生命維持治療の必要性に対する予防に有効であると報告
している。

※１ 入院の主な理由が新型コロナウイルス感染症の例又は以下の急性症状のうち1つ以上を呈する：発熱、咳嗽、息切れ、味覚の消失、嗅覚の消失、消化器症状、呼吸補助、
胸部画像検査による新たな所見。
※２ 症例群が入院後３週間以内に入院した、症例群の入院病棟に最も近い患者から対照群を選択。
※３ 機械的人工換気（非侵襲的、侵襲的いずれも含む）の実施、血管作動薬静注、体外式膜型人工肺の使用。
※４ 症例群のうち２回接種者17例、１回接種者１例、未接種者427例、対照群のうち２回接種者139例、１回接種者32例、未接種者212例。
1. Olson SM, Newhams MM, Halasa NB, et al. Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Critical Covid-19 in Adolescents. N Engl J Med. 2022;386（8）:713-723.

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