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参考資料4 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第三次)~研究用新規胚の作成を伴うゲノム編集技術等の利用等について~(令和4年2月1日 総合科学技術・イノベーション会議) (11 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/12/mext_00048.html
出典情報 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(第1回 3/30)《文部科学省》
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ヌスを伴うミトコンドリア病(MERRF)、リー脳症、レーベル遺伝性視神経症
といったミトコンドリア病の病態解明等における医学的な有用性があると
されている。
さらに、研究用新規胚の作成の必要性を裏付ける根拠として、前述の1.
(1)①と同様にヒトとマウスとの初期胚発生における遺伝子の果たす役割
の違いや、ヒト胚発生の機序の解明も求められていることに加え、ミトコン
ドリア病に関する研究に必要な遺伝子変異を持つモデル動物の作成が、現在
の技術水準では困難であり、研究を動物胚によって代替することが困難であ
ることも報告された。また、核置換の技術的な観点で、ヒト胚と動物胚とで
発生率が異なるといった報告もあることから、動物胚によってヒト胚に関す
る研究を代替することには限界があるという意見があった。
また、ミトコンドリアDNAの異常によって生じるミトコンドリア病の多
くは、正常なミトコンドリアDNAと異常なミトコンドリアDNAが混在し
ている状態(ヘテロプラスミー)によって発症することが知られている。こ
のような場合、細胞や組織によって異常DNAの割合が異なること等により、
様々な症状が現れることとなる。こうした異常DNAの割合の変化が生じる
機序として、受精卵から胚盤胞へ胚発生が進むことによってミトコンドリア
DNAの変異率が大幅に変化する時期があることが報告されており、こうし
た変異率の変化についての研究は、ミトコンドリア病の発症機序の解明等に
資する可能性が指摘された。しかし、こうした研究を行うには、胚盤胞まで
発生が進んだ余剰胚の観察によって実施することは困難であり、研究用新規
胚の作成によって、発生初期の胚に関する研究を行うことが必要であること
が指摘された。また、ミトコンドリア病の発症に関連する遺伝子の病的変異
は 200 余りが知られており、そのうちのミトコンドリア遺伝子 3243 番目の
A→G変異や、欠失重複といった変異については、タンパク領域やリポソー
ムRNA領域の場合など、代表的な病的変異を再現するには患者由来の新規
作成胚の必要性が指摘された。
② 検討内容を踏まえた考察
以上の検討を踏まえると、核置換技術を用いたミトコンドリア病に関する
基礎的研究には、研究用新規胚を作成して行う科学的合理性が認められる。
(2)社会的妥当性について
① ヒアリング、議論等の主な内容
現時点では、ミトコンドリア病に対する根本的な治療法はなく、また、前
述のように、ヒト胚の発生におけるミトコンドリアDNAの動態に関する知
見は現時点では十分ではなく、今後の研究により得られることが期待されて
いるものである。こうした状況を踏まえ、研究用新規胚を用いたミトコンド
リア病研究の進展による病態解明、治療法の開発等への社会的な期待が、医
療関係者、研究者、患者団体等から示された。
また、核置換技術のうち卵子間核置換技術については、卵子の提供を受け
るに当たって、別途、未受精卵を確保する必要がある点について十分留意す
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