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参考資料4 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第三次)~研究用新規胚の作成を伴うゲノム編集技術等の利用等について~(令和4年2月1日 総合科学技術・イノベーション会議) (83 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/12/mext_00048.html
出典情報 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(第1回 3/30)《文部科学省》
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(3)核置換技術を用いた研究について
【検討の経緯】
生殖細胞系列における細胞質に局在するミトコンドリアを置換するための核
置換技術には、受精胚核置換注10と卵子間核置換注11がある。ヒト受精胚に「核置
換技術」を用いて作成される胚は、
「ヒトに関するクローン技術等の規制に関す
る法律」
(平成 12 年法律第 146 号。以下「クローン技術規制法」という。)で規
定する特定胚の一つである「ヒト胚核移植胚」であり、同法に基づき制定された
「特定胚の取扱いに関する指針」
(平成 13 年 12 月文部科学省告示。以下、
「特定
胚指針」という。)において、胚の作成及び胎内移植が禁止されている。一方、
卵子間核置換については、受精を伴わない場合は「人を対象とする医学系研究に
関する倫理指針」
(平成 26 年 12 月文部科学省・厚生労働省告示)の対象となる
が、生殖補助医療研究目的のため核置換された未受精卵を用いてヒト受精胚を
作成する場合は、ART指針の対象となる。
ヒト胚核移植胚については、
「基本的考え方」※6においてミトコンドリア病等
に対する医学的有用性等が指摘されたが、その取扱いのあり方については今後
検討すべき課題とされた。
生命倫理専門調査会では、平成 27 年 10 月に英国がミトコンドリア病の予防
のため、受精胚核置換及び卵子間核置換の臨床利用を認めたことなどを受け、ゲ
ノム編集技術等に係る検討と平行して、第 98 回会合(平成 28 年 6 月)よりヒ
アリング等を実施し、検討を行った。
※6

「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」
(平成 16 年 7 月 23 日総合科学技術会議)
(抜粋)
第 2 の3.ヒト受精胚の取扱いの検討
(1)研究目的のヒト受精胚の作成・利用
イ 先天性の難病に関する研究目的での作成・利用
現時点では、この分野の研究においてヒト受精胚の作成・利用を伴う研究を行う具体
的必要性が確認できなかったが、容認する余地はあり、先天性の難病に関する研究が今
後進展することを期待し、将来、必要性が生じた時点で改めて検討することとする。
第3.人クローン胚等の特定胚
4.その他の特定胚について
(1)ヒト胚核移植胚、ヒト胚分割胚及びヒト性融合胚
総合科学技術会議の4号答申においては、これらの胚のうち、ヒト胚核移植胚及びヒ
ト性融合胚についてはミトコンドリア病等に対する医学的な有用性等が指摘されたが、
これらの胚の作成の是非に関する判断は留保された。他方、ヒト胚分割胚については不
妊治療研究等の可能性が指摘されたものの、当面は作成及び使用を認めるべきではない
とされた。今回の検討においては、これらの胚についてかかる分野の研究において有意
注10

受精胚核置換:受精胚(1細胞期)から核を取り出し、その核を、他の核を除いた受精胚に
移植する技術。
注11
卵子間核置換:卵子から核を取り出し、その核を、他の核を除いた卵子に移植した後に受精
させる技術。

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