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資料1-2-1診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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資料1-2-1
(診断基準等のアップデート案(見え消し))

1 球脊髄性筋萎縮症

取扱注意

○ 概要
1.概要
通常成人男性に発症する、遺伝性下位運動ニューロン疾患である。四肢の筋力低下及び筋萎縮、球麻
痺を主症状とし、女性化乳房など軽度のアンドロゲン不全症や耐糖能異常、脂質異常症などを合併する。
筋力低下の発症は通常 30~60 歳頃で、経過は緩徐進行性である。国際名称は Spinal and Bulbar
Muscular Atrophy (SBMA)であるが、Kennedy disease とも呼ばれる。
2.原因
X 染色体長腕近位部に位置する、アンドロゲン受容体遺伝子第1エクソン内にある CAG の繰り返しが、38
以上に異常延長していることが本症の原因である(正常では 36 以下)。CAG の繰り返し数と発症年齢との
間に逆相関がみられる。男性ホルモンが、神経障害の発症・進展に深く関与していると考えられている。
3.症状
神経症候としては、下位運動ニューロン徴候である顔面、舌及び四肢近位部優位の筋萎縮及び筋力低
下と筋収縮時の著明な筋線維束性収縮が主症状である。四肢腱反射は全般に低下し、上位運動ニューロ
ン徴候はみられない。手指の振戦や筋痙攣が、筋力低下の発症に先行することがある。喉頭痙攣による短
時間の呼吸困難を自覚することもある。深部感覚優位の軽徴な感覚障害が、特に下肢遠位部でみられるこ
ともある。進行すると嚥下障害、呼吸機能低下などが見られ、呼吸器感染を繰り返すようになる。睾丸萎縮、
女性化乳房、女性様皮膚変化などの軽度のアンドロゲン不全症候がみられる。血液検査では、CK が高値
を示すことが多く、耐糖能異常、脂質異常症、軽度の肝機能異常、ブルガダ(Brugada)症候群を合併するこ
とがある。
4.治療法
根治治療は確立していない。症状の進行に応じた運動療法とともに LH-RH アゴニストのリュープロレリン酢
酸塩は、テストステロンの産生を抑制し、SBMA の進行抑制の効能が承認されている。また、HAL 医療用下

肢タイプは、歩行改善効果が承認されている。 症状の進行に応じた運動療法や、誤嚥予防などの生活
指導を行い、耐糖能異常、脂質異常症などの合併症に対して治療を行う。男性ホルモン抑制療法について
臨床試験が進められている。
5.予後
本症の神経症候は緩徐進行性で、徐々に筋力が低下し、発症 10 年程度で嚥下障害が顕著となり、発症
15 年程度で車イス生活を余儀なくされることが多い。通常、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症が直接死因と
なることが多い。
○ 要件の判定に必要な事項

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