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資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 (28 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和4年第8回 6/7)《内閣府》
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1.民間で公的役割を担う新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討
社会がより複雑化している中で、孤独・孤立対策や環境保護等に加え、医療、介
護、教育等、これまで官が担ってきたサービスにおいても、多様なニーズにきめ細
かく対応するため、民間の主体的な関与が期待されている。こうした中、我が国で
は、社会的課題と経済的成長の二兎を追いたい起業家が増えている。
従来の株式会社では、株主利益の追求が大前提である一方、非営利組織において
は、事業実施主体として限界があり、資金調達の柔軟性が低いことから、大規模な
課題解決が難しいとの指摘もある。
欧米では、ベネフィットコーポレーション等の新たな法制度が整備されつつある 39。
米国では、2010年から2017年までの間に7,704社のベネフィットコーポレーション
が設立されており、全米に広く拡大した 40。ベネフィットコーポレーションへの投
資額も、5年間で6倍に、1件当たりの投資額も4倍に増加している。投資家も、
インパクト投資家だけでなく、通常の利益追求型の投資家も投資を行っている 41。
新たな官民連携の形として、このような新たな法制度の必要性の有無について検
討することとし、新しい資本主義実現会議に検討の場を設ける。あわせて、民間に
とっての利便性向上の観点から、財団・社団等の既存の法人形態の改革も検討する。
2.競争当局のアドボカシー(唱導)機能の強化
競争当局は独占禁止法の施行事務以外に、取引慣行や規制により競争が働いてい
ない分野について調査をし、取引慣行の改善や規制の見直しを提言(アドボカシー)す
る機能を有している。我が国の公正取引委員会についても、DX等の社会の変革の
中でアドボカシー機能に対する期待が強い。
ここ数年では、携帯電話料金や銀行間送金手数料、スタートアップの新規株式公
開等について競争関係の実態調査を行い、アドボカシー(唱導)を実施してきたが 42、
体制を整備し、アドボカシー機能を抜本的に強化する。
3.寄付文化やベンチャー・フィランソロフィーの促進など社会的起業家への支援強化
米国では、成功した起業家をはじめ、幅広い者がビジネスで得た果実等を社会に
還元し、社会的課題の解決に貢献する、いわゆるフィランソロフィーの概念が確立
している。
SDGs実現を含む社会的課題に取り組む民間の活動に対し、休眠預金の活用を
検討する。その際、投融資の在り方等について検討を進め、本年度中に結論を得る。
また、民間の寄付やクラウドファンディング等の資金・人材を呼び込む社会的ファ
イナンスの活用を促進するとともに、上述の新たな法人形態の創設、財団・社団等
の既存の法人形態の改革を検討する。
また、起業家教育に当たっては、社会的起業家を育成するシステムの強化を検討
する。
4.インパクト投資の推進
39
40
41
42

基礎資料P41:公的役割を目的とする新たな法人形態
基礎資料P42:ベネフィットコーポレーションの設立状況
基礎資料P43:ベネフィットコーポレーションに対する投資家
基礎資料P44:公正取引委員会によるアドボカシー(唱導)機能

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